映画「怒り」(李相日監督)の初日舞台あいさつが17日、東京・TOHOシネマズ日劇で行われ、主演の渡辺謙(56)をはじめ森山未来(32)松山ケンイチ(31)ら豪華出演陣が出席した。

 イベントは観客から質問を受け付ける形で行われた。渡辺の娘愛子を演じた宮崎あおい(30)には、「松山、渡辺と共演してイメージは変わったか」と質問が飛んだ。渡辺とは劇中だけでなく、各地へキャンペーンで出かけただけに、思いもひとしおだった様子。「あの…あの…あの…寂しくて」と、涙で声を詰まらせた。「今日から映画が始まって、映画が皆さん(ファン)の物になるのはうれしいけど、お父ちゃんに会えないのが寂しい。現場でも支えていただいて、居場所を作ってもらえた。そういう時間があったからこそ、愛子と父ちゃんという関係ができた。お父ちゃんに付いて行けば大丈夫という安心感があった。謙さんの娘を1度でもできて光栄です」と感謝を語った。

 宮崎の思いがこもった言葉に、渡辺は「あおいちゃんと同じような気持ちです」と答えた。「連絡下さいね。私的な話ですけど」と笑わせ、「撮影もそうでした。楽しい時間を過ごさせていただきました」と返した。

 宮崎は松山と05年、映画「NANA」で共演歴がある。「当時は線が細い少年役で、私は『年下のもの静かな子だな』と思っていたら、実は年上だった。とてもおしゃべりが好きで、ひょうひょうとしていて、思ったことは口に出してくれる、とても気持ちのいい方です」。今回も撮影中に、李監督の指示で、2人で1時間ほど風呂場にこもり、演じ方について話し合うなど、交流を深めたという。

 一方の松山は「ある女優さんに、『今までの共演者で1番の変人は』と聞いたら、『あおいちゃん』と言っていた。そのときは、意味が分からなかったけど、今回は分かった(笑い)。だから愛子を演じられたと思う」といじっていた。