移転先、豊洲の問題が続出する中、築地市場にスポットを当てた映画「築地ワンダーランド」(遠藤尚太郎監督、10月1日公開)の完成試写会が29日、都内で行われた。

 1年間にわたって築地に密着した映画は「世界一の魚の目利き」と言われる仲卸の人たちを中心に進行する。出演者でもある料理学校校長の服部幸応さん(70)は「仲卸の人たちと料理店の店長さんたちとの真剣なやりとりに涙が出た。海外のシェフもよく連れて行くけど、みんな感動して帰っていく」と感慨深げだった。

 築地で仲卸を営む島津修さん(48)は「僕らはお客様のニーズに応えたい一心でやってます。たまにはウソもつきますが、それもお客様のためです」とプロ根性をのぞかせた。豊洲への移転時期が延期される現状については「僕の代わりはいるけど、(約600軒が)束になった僕らの代わりはどこにもいない。僕らのいるところが市場なんです」と胸を張った。