今年28年ぶりに新作が公開された日活ロマンポルノの「ジムノペディに乱れる」(行定勲監督)の公開記念トークショーが8日、東京・新宿武蔵野館で行われ、行定監督とロック歌手内田裕也(77)が出席した。

 内田は、行定監督が映画人生で影響を受けたという「嗚呼! おんなたち 猥歌」(81年)で主演を務めており、その縁からトークショーに登壇した。ロンドン滞在中にホテルのシャワー室で足を滑らせて転倒、負傷し、救急搬送されたことを自身のツイッターで明かしていた。尾てい骨を強打しており、この日はつえをつき、スタッフに抱えられてステージへ。空席を見つけると、「思ったより観客が少ないから、頭に来た」と、時おり痛みに苦しみながら声を絞り出し、裕也節をかました。7日からリハビリ施設に入院しているが、この日は「男の約束だから」と、施設から直行したという。

 内田の登場前に登壇した行定監督は、「すごい傑作。初めて見る人がうらやましい。裕也さんが鬼気迫る演技を披露しているのが見どころ」と作品の魅力を説明しつつ、「(内田が)いらっしゃったら、ずっとしゃべるので」と笑わせた。監督の予想通り、その後のトークショーは、ほぼ内田の独演会となり、20分以上も1人で話し続けた。

 内田は大みそか、44回目を迎えるニューイヤーズロックフェスに出演するが、それまで生活はリハビリ優先になる。「そろそろ病院に帰る。メシがまずいんだよなぁ…」とボヤきながら降壇し、客席を笑いに包んだ。