俳優の坂上忍(49)が、東京都小金井市で昨年5月、歌手活動をしていた冨田真由さん(21)が刺されて重傷を負った事件について、殺人未遂などに問われた無職岩埼友宏被告(28)への怒りをあらわに、検察側の懲役17年という求刑に疑問を投げかけた。

 27日放送のフジテレビ系「バイキング」は、22日から東京地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)で行われた同事件の裁判員裁判について取り上げた。出席した法廷画家らが、岩埼被告が冨田さんに「殺せよ!」と怒鳴るなどした言動を伝えた。

 坂上は「聞いてるだけで、吐き気がするというか、怒りがこみ上げる。怖さも感じる」と感想を述べ、元宮崎県知事の東国原英夫氏も「裁判員や裁判官の心象が悪くなるということは当然予想されるのに、それでもこういうことをやってるということは反省の色はゼロ。たとえば実刑を受けても反省はしないんじゃないかな」と私見を述べた。

 議論となっている懲役17年という求刑について、弁護士の佐藤大和氏は「妥当だと思う」とコメントしたが、それは殺人未遂罪の量刑相場からすると「重たい」という意味でのコメント。佐藤弁護士は「(岩埼被告は)まったく反省していないですし、犯行後の対応が悪いですし、何より被害女性にまったく落ち度がないんですよ。死と匹敵するくらい」と、岩埼被告への量刑が相場より重くなると考える理由を説明した。

 しかしタレントのフィフィは「(冨田さんは)奇跡的に生きていたくらいのケガだと思う。殺されてなかっただけ。(求刑)17年というのは、普通は8年から10年だから、重いとは思うけど、それも前例があるかないか。こんな卑劣な犯罪に司法が時代遅れで追いついてるとは思えない」と指摘した。

 坂上は、岩埼被告が刑期を終えて出所された後の冨田さんを心配。「この被害女性は『またやられる』と思うんだよ。その恐怖と戦わなきゃいけなくて、自分の生活が元に戻ることはないわけじゃん。それをちょっとでもいいから生きていくために何かを見出して行かなくてはいけない、傷を自力で浅くしていかなきゃいけないのに、出てきた途端にまたマイナスになる恐怖と戦わなきゃいけない」と、冨田さんが再び危険にさらされることを懸念した。