心不全のため14日に亡くなった夫婦漫才コンビ「二葉由紀子・羽田たか志」の二葉由紀子さん(享年76)の葬儀・告別式が17日、兵庫県芦屋市の照善寺で行われ、オール巨人(65)桂文珍(68)や吉本新喜劇に復帰した帯谷孝史(67)らが参列した。

 所属事務所によると、棺の中には、愛用していた濃紺の着物などが入れられたといい、降りしきる雨の中、約150人が出棺を見送った。

 夫で相方の羽田たか志(75)は喪主あいさつで「本人はもっと一緒にいたかっただろうと思います。といいますのも、来年にコンビ結成50年を迎える予定で、夫婦で漫才のほか、芝居もやろうかと言っていました。でも、それも夢と消えてしまいました」と妻の無念の思いを代弁した。

 二葉さんは、1年ほど前から不整脈のような症状を訴え、心臓弁膜症と診断されていた。しかし、最近まで舞台に出演しており、最後の舞台となった今月7日の西宮市内での出演時も、笑いを奪っていた。

 葬儀に参列した巨人によると、二葉さんは最後の出演後、夫の羽田に「しんどいわ」と漏らしながらも、温かい「ええお客さん」だったことから「残念やわ。あんなええお客さんやったのに、もっと(元気なら)ウケたのに」と悔しがっていたという。

 二葉さんはその後、呼吸が苦しいと訴えて入院。落ち着きを見せていたものの、容体が急変し、14日夜に亡くなった。

 巨人は、二葉さんを思い「音曲(漫才)はもちろん、殺陣も芝居もできて、才能にあふれた人。残念です。早いや。早すぎる…」と、悔しそうに話した。

 オール阪神・巨人として、京都花月(当時)でデビューした当時、二葉さんと一緒で、その時「あんたら漫才うまいな。つっこみ、うまいわ」とほめられたことは、今も財産として心に残っている。

 当時は、男女が同じ楽屋で、女性も男性の前で着替えをしていた。巨人は「べっぴんさんやったから、おれら、どうしても(着替えを)見てまうねん」と、振り返った。

 また、二葉さんは体調を崩しがちになった頃から延命治療を望んでおらず、巨人は「何も(延命装置を)つけたくないと言ってたらしいから、そういう意味では思い通りに生きれたんかな…。でも、早いわ。ほんま、早すぎるわ」と唇をかんでいた。