人気スパイ映画「007」シリーズで6代目ジェームズ・ボンド演じる俳優ダニエル・クレイグ(49)の去就が注目される中、最新作「ボンド25」の配給を巡って大手スタジオ4社が争奪戦を繰り広げていると報じられた。

 「007/カジノ・ロワイヤル」(06年)から同シリーズを配給している米ソニー・ピクチャーズが前作で配給契約が切れたことから、ソニーに加えてワーナー・ブラザース、ユニバーサル・ピクチャーズ、20世紀フォックスが同シリーズの権利を所有するMGMとイオン・プロダクションズに売り込み合戦を続けているという。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、MGMとイオンは次回作となる1作品のみの契約を売りに出しており、ソフトウエア大手オラクル社の創業者の娘で映画プロデューサーのミーガン・エリオンさんが率いる新鋭のアンナプルナ・ピクチャーズも参戦していると伝えている。

 「カジノ・ロワイヤル」からボンド役を務めてきたクレイグは、前作「007 スペクター」(15年)のプロモーション中から次回作には出演しない意向を示しており、ボンド役が誰になるのかは現時点では決まっていない。クレイグは最近になって続投する可能性も浮上しているが、各社とも配給権のみ協議を行っていると伝えている。新作は2018年にクランクインし、翌2019年に公開を予定している。 (ロサンゼルス=千歳香奈子)