長いひげをトレードマークに、時事問題やスポーツの新釈講談で人気を呼んだ講談師の田辺一鶴(たなべ・いっかく、本名佐久間秀雄=さくま・ひでお)さんが22日午前、肺炎のため東京都内の病院で死去した。80歳。東京都出身。葬儀は近親者らで行い、後日お別れの会を開く。

 1954年、田辺南鶴に入門。73年に真打ち。異端児と呼ばれ、高座で跳び上がるなど常識破りの講談で評判となった。東京五輪や三島由紀夫の自決などの大ニュース、野球のイチロー選手、マラソンの高橋尚子さんらの活躍を取り上げ、テレビでも活躍した。

 講談協会の理事を長く務め、講座「講談大学」の立ち上げなど講談普及にも力を注いだ。

 本好きでも知られ、東京都内に芸能古書の「イッカク書店」を開いた。

 [2009年12月22日22時57分]ソーシャルブックマーク