書道家・カリグラフィーデザイナーの中塚翠涛(32)が22、23日、名古屋市のセントラルパーク・パークスクエアで、三重県鈴鹿市の歴史ある伝統的工芸品「鈴鹿墨」とのコラボレーションによる鈴鹿墨展を開催する。

 鈴鹿墨は平安時代初期、鈴鹿の山の松を使い、製墨が行われたのが始まりで、1980年には国から墨としては日本唯一の伝統的工芸品に指定された。現在は伝統工芸士・伊藤亀堂氏と息子の伊藤晴信の2人により伝統が守られている。

 中塚は書道家としてはもちろん、空間を書でデザインするという独自のスタイルを確立。国内外で多種多様な空間カリグラフィーデザインやプロダクトデザインなどを手がけている。ペン字練習帖も出版、累計30万部を超える。

 会場では中塚本人の指導(1日10人限定)による「書道・アート体験」や「鈴鹿墨ライブペイント」を実施。中塚は「墨を摺(す)る、を大切にされている鈴鹿墨の伝統工芸士・伊藤亀堂さんとの出会いが、作品制作の世界を大きく広げてくれた。今まで身近ではなかった若い世代の方々にも興味をもってもらえたら」と話した。