氷川きよし(35)が、東京・新橋駅前をジャックした。12日、新橋のSL広場で、新曲「しぐれの港」の発売記念イベントを行った。開始時刻の午後7時は気温6度。寒空にもかかわらず、広場には女性ファン、仕事帰りのサラリーマン、近隣の飲食店ビルの客やJR新橋駅ホーム、電車の乗客ら約6000人が見守る中、新曲やヒット曲「きよしのズンドコ節」など5曲を披露した。

 新橋駅前に「きよしコール」が鳴り響いた。氷川が笑い、語り、歌うたびに、ちょっぴりかん高い黄色い悲鳴が沸き起こった。氷川が「寒くない?」「かわいそう」と話しかけるたびに、ファンは歓喜した。歓声が上がり、ペンライトが揺れ、新橋駅前の名所のSL広場はライブ会場と化した。「これからも自分の歌を守っていきたい。皆さん1人1人を守っていきたい」。氷川がそう叫ぶと、再び悲鳴が起こった。

 23枚目のシングルとなる新曲は、歌詞に「抱いてやりたい

 おもいきり」など男らしさを全面に出した曲。サビ部分では、腰を折り曲げ回転するド派手な振り付けを披露。「ザ・演歌。男くさい主人公が見える歌です。こういう歌を歌いたかった。できれば2、3年歌いたい」と、相当なほれ込みようだった。

 今年はデビュー14年目。来年のデビュー15周年を見据え、「14年目の今年が大切なので、日々お心に届くような歌唱をして参りたい。人生かけて、歌で人間にとって大切なことをお伝えできれば」と熱く話した。その言葉には、昨年亡くなった所属事務所前会長の長良じゅんさんへの思いがある。「昨年は、東京の父親のような長良会長がなくなって。ですから今年は勝負。大切な一年。山川(豊)さんら先輩たちや後輩たちと一丸となって、長良プロの灯をもっと大きくしたい。長良プロここにありを示したい」と話した。