3代目林家菊丸襲名興行が27日、大阪・なんばグランド花月で行われ、林家染丸(64)門下の林家染弥(40)が、約115年ぶりに「菊丸」の名跡を復活させた。

 口上には笑福亭仁鶴、6代目桂文枝、月亭八方、桂米団治、師匠の染丸が並び、3代目菊丸に祝福の言葉をのべた。

 文枝は「菊は天皇家の紋章ですし、日本の国の花です。ですから、すばらしい名前です」。仁鶴は、襲名が決まり「僕でいいんですか」と遠慮した菊丸の人柄を「最近は僕が、僕が、ですから。こんな遠慮深い言葉を聞きません。ズシンときましたね」と言い、奥ゆかしい人柄をたたえた。

 そんな「菊丸」の名跡は、実は、師匠染丸の名跡の“師匠筋”にあたる。

 同じく、父で師匠の桂米朝の“師匠筋”名跡を継いだ米団治は「米団治という名前は米朝より古い名前だったんです。米団治が米朝を作ったんです。そこだけ大きな声で言いたい。師匠を追い抜いた菊丸さんですので、今後はともに手を取り頑張りたい次第です」。自身の自虐ネタをまじえてあいさつした。

 さらに、上方落語界きっての色男、米団治は、菊丸から以前「女と別れたい…」と、色事の相談を受けたことも暴露して、会場をわかせた。

 先輩たちの硬軟織り交ぜたエールに、菊丸は恐縮しきり。弟子の晴れ姿に、闘病しながら高座に上がる染丸は「皆様のおかげで新しい菊丸が誕生いたしました」と、頭を下げた。