<第37回日本アカデミー賞授賞式>◇7日◇東京・グランドプリンスホテル新高輪

 「そして父になる」で最優秀助演男優賞に輝いたリリー・フランキー(50)が、佐村河内守氏のゴーストライター騒動を逆手に取ったスピーチで、会場を爆笑させた。

 「私のような、えたいの知れない者をこのような席に呼んでいただき、賞までいただいて、何と言っていいか」

 そう言葉を詰まらせた…かと思いきや、そこからリリー節を全開させた。「『何と言っていいか』といえば、昼間に佐村河内さんの会見をやっていました。悪いことをしたとはいえ、あれほどのアウェー感はつらいだろうと思って見ていました。今の私は、佐村河内さんよりはウエルカムな状態でスピーチをさせていただいてます」。緊張が走る会場の雰囲気を、得意のブラックジョークで和らげていたが、日本テレビの放送では編集でカットされていた。

 対象作は2作だったが、自ら「地に近い」という「凶悪」ではなく、「一番遠い、いい人の役」を演じた「そして父になる」で受賞した。本業ではない俳優業での受賞ラッシュに、「去年の自分でも想像できない」と、目をキョロキョロさせていた。