昨年12月24日に急死した4人組ロックバンド、フジファブリックのボーカル&ギター志村正彦さん(享年29)をしのぶ献花式「志村會」が21日、東京・中野サンプラザで行われた。昼の部と夜の部あわせて1万5000人のファンが参列した。ファンに先立ちキーボード金沢ダイスケ(29)ベース加藤慎一(29)ギター山内総一郎(28)が献花。山内は「まだまだ一緒に音楽を作りたかったし、ギターを弾きたかった」と無念の思いを吐露した。

 中野サンプラザは、志村さんにとってあこがれの場所だった。99年に山梨から上京し、中野の隣町、高円寺に住んだ志村さんは、ライブハウスでバイトをしながら「いつかここでライブしたい」と語っていたという。その思いは08年5月、初のホールワンマンライブで実現した。

 舞台上の祭壇は1500本の花で、地元山梨の富士山とギターの形にしつらえられ、昨年5月に雑誌「men's

 FUDGE」に掲載された写真が遺影として飾られた。会場ではファンが号泣し、外で泣き崩れ、放心状態となるファンも相次いだ。

 急死から1カ月がたつが、死因は不明のままだ。事件性はないが解剖結果が出ておらず、突然死したことしか分かっていない。亡くなる1週間前にレコード会社の移籍が内定し、志村さんは新しい所属先の関係者に「頑張ります」と元気にあいさつしたという。

 今後は志村さんの生前から決まっていた、7月17日のライブ「フジフジ富士Q」以外、まったくの白紙だ。この日、献花したファンからは「今後が気になるけれど、どうであれ応援する」との声が相次いだ。楽曲のほぼすべてを制作していた志村さんの死は大きいが、金沢は「7月のライブを実現すべく話し合いをしています」と話した。

 [2010年1月22日8時45分

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