覚せい剤取締法違反(使用、所持)と麻薬取締法違反(所持)の罪に問われた、バンドJAYWALKのボーカル中村耕一被告(59)の初公判が28日、東京地裁で行われた。

 中村被告と事実上の夫婦で、タレントの矢野きよ実(48)が、弁護側の証人として出廷した。矢野は一緒に名古屋で家族として暮らし、中村被告の更生に尽力する考えを法廷で訴えた。同被告の身柄が自由になれば「まずは薬物依存の専門の病院に入院し、薬物の怖さを(一緒に)勉強したい」と話した。約1カ月で退院できるのが一般的で、その後は名古屋で通院して更生に努めると述べた。

 矢野は名古屋を中心にタレント活動を行っており、今回の中村被告の薬物使用は全く知らなかったという。2人は籍を入れておらず、最近は2、3カ月に1度、中村被告が東京から訪ねる関係だった。それでも矢野は、大事な家族と説明し、今後、籍を入れる予定を示した。事件後も7、8回ほど中村被告と面会し、同被告が落ち込み「一緒に名古屋で生活したい」と話していたと紹介した。

 「彼のつらさ、寂しさを分かってあげられなかった。申し訳ないと思っています。これからは家族として離れず、一緒に更生をしたい。どうか一緒にやり直すチャンスをいただけたら」と、声を詰まらせた。中村被告は目頭を押さえて聞いていた。今後の生活についても「私が仕事をして彼を支えていきたい」と語った。

 [2010年4月29日11時45分

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