お笑いコンビ、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代(32)が12日、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県いわき市の復興協力を涙で訴えた。東京・新橋のSL広場で行われたいわき市物産品PRイベントに枝野幸男官房長官と参加。06年映画「フラガール」で本格的に女優デビューしたしずちゃんは、ロケの中心地だったいわき市民に向けて「必ずもっといい街になっていける。がんばっぺ、いわき!」とエールを送った。

 しずちゃんは気合に満ちていた。「福島県いわき市」と記された青い法被を羽織り、枝野長官と安全性PRのため野菜にかぶりついた。イチゴをつまみ、大きなトマトを一気に丸ごとほお張った後、キュウリ1本を瞬く間に完食。枝野長官を屈強なSPが取り囲む異様な雰囲気の中でも動じず、「いわき市の力になりたい」という思いを前面に出した。

 いわき市には強い恩義を感じている。映画「フラガール」で蒼井優らとともにフラガールになる娘役で本格的に女優デビュー。女優としての才能を開花させた恩人ともいえる作品でお世話になったのが、いわき市だった。「涙を流すシーンではお芝居をやったことがなくて、何度も撮り直して。いわき市長が『あんこう鍋ができたよ~』と入ってこられたので、ようやく出そうになった涙が止まっちゃいました」。

 そんな「第2の故郷」いわき市が大震災の被災地になり、津波、原発の風評被害で苦しんでいる。すでに主演の松雪泰子、蒼井優、富司純子と4人連名で同市に義援金計1000万円を送っているが、「できることは何でもやりたい」と志願し、今回のイベントにも参加した。「『フラガール』で温かく助けていただいたので、お返しをしたい。いわきの方々が困っていると思うと…。少しでも力になれるのであれば、お手伝いしたいと思いました」。試食だけでなく、声を出してイチゴの手売り販売も行った。

 ただ、どんなに活動しても心が晴れることはない。撮影時にお世話になったが連絡先を知らず、安否確認をできない人もいるからだ。「神戸も復興しました。ちょっとずつですが、元気になって、必ずまた立ち上がっていける。いわきのみなさんは大変だと思いますが、みんな1つになって前向きにやっていきたいです」。撮影では泣けなかったしずちゃんの目から、大粒の涙がこぼれた。【近藤由美子】