最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は26日までに、ライブドア(LD、現LDH)の粉飾決算事件で旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長堀江貴文被告(38)の上告を棄却する決定をした。懲役2年6月とした1、2審判決が確定する。決定は25日付。都内で会見した堀江被告は従来の検察批判のトーンは抑え、「社長としての責任はある。(刑務所では)本でも読んで勉強したい」と、今後を見据えた発言を繰り返した。刑が確定すれば収監されるが、40日間の未決勾留日数が算入されており、服役期間は最大で2年5カ月近くとみられる。

 都内で会見を行った堀江被告は、上告棄却について「無罪を主張して争ってきた私にとっては非常に残念。納得できない部分はたくさんあるが、仕方がないですね」とさばさばした表情で話した。黒いTシャツ、カーキ色のジャケット、ジーンズのラフな姿で登場。今後、異議申し立てはするとした上で「おそらく1カ月ぐらいで収監され、どこかの刑務所に行くことになると思います」と報告した。

 棄却は正午ごろ、弘中惇一郎弁護士からの電話で初めて知ったという。「長い上告趣意書を出していたが、軽くスルーされた。高裁の判決を受けたときはショックだったが、今回は結構ぼーっとしている。人生ゲームのコマが1個すすんだかなという感じ」と独特の表現で心境を語った。

 ただ、今後も無罪の主張は一切変わらないとし「獄中からも主張は、メールマガジン等で発信し続けていきたい」と活動継続に意欲を見せ、批判を続けてきた検察については「出来の悪い社員と同じ。5回、10回、100回と言い続けないと分からない」とクギを刺すのも忘れなかった。

 山一証券やカネボウなど過去の証券取引法違反事件には、すべて執行猶予がついていることに関しては「不公平だとは思うが、何で俺だけ、というのはみんなが経験している。世の中は不条理で満ちている」と達観した表情で話した。

 約2年半の収監期間は「ゆっくり本を読んで勉強したい」とし「今回の判決は、僕の方にも原因があった部分もあると思う。そういうことがないように、獄中で一生懸命勉強して、また帰ってみなさんの役に立ちたいな、と思います」と話した。