反原発活動を精力的に続ける山本太郎(37)が、美輪明宏(76)主演の舞台に出演することが25日、分かった。東京のル・テアトル銀座で上演する「椿姫」(4月4日~5月6日)で共演する。山本にとって昨年6月「太平洋序曲」以来、10カ月ぶりの舞台出演となる。

 「椿姫」はアレクサンドル・デュマ原作で、19世紀のパリが舞台。椿姫と呼ばれた娼婦マルグリットと素朴な青年アルマンとの純愛を描く。主演だけでなく、脚本・演出・美術も兼ねる美輪版「椿姫」は68年に初演され、今回は04年以来8年ぶりの再演となる。山本はアルマンの親友で、マルグリットと引き合わせるガストンという重要な役で出演する。

 美輪は、もともと山本の演技力を買っていた。これまではスケジュールが合わず、美輪舞台への出演は実現しなかった。しかし、山本は、昨年5月の反原発発言をきっかけにドラマの降板が決まり、所属事務所もやめる騒動に発展。俳優としての仕事が激減した。地方を含め3カ月におよぶ長丁場の仕事が可能となり、今公演に出演が実現した。

 長崎市生まれの美輪は10歳の時に被爆を体験し、親族が亡くなっている。反原発の活動をする山本に共感するところも多く、出演に支障はなかったという。

 山本は2月には反原発への思いや、これまでの活動をつづった著書「ひとり舞台

 脱原発~闘う役者の真実~」(集英社)を出版。久々のドラマ収録も予定する中、美輪との共演も話題になりそうだ。