<第63回NHK紅白歌合戦>◇リハーサル◇30日◇NHKホール

 今日31日に行われる第63回紅白歌合戦(午後7時15分~同11時45分)の通しリハーサルが行われた。白組の特別出場歌手として3年ぶり2度目の紅白出場となる矢沢永吉(63)は、慣れない直撃取材に驚きつつも、「ヨロシク!」。

 矢沢のリハーサルは非公開だった。それでも会場の外に迫力ある野太く渋い声が漏れ、取材陣は「矢沢のリハだ」と気付いた。約10分後、ステージ脇の通路から矢沢が姿を現した。ホールを出るまでの廊下(約30メートル)に歩みを進めると、取材陣が一気に群がった。矢継ぎ早に質問が飛んだが、矢沢は15メートルを歩いたところで、不思議そうに両手を広げた。

 「えっ、これインタビューなの?」

 取材だと気付くと、歩きながら考え込み、出口付近に近づいたときサッと、きびすを返した。

 「3年ぶり、40周年。本当にお世話になります。区切りだよね。ヨロシク!」

 デビュー40周年を締めくくる紅白への自信の笑顔も見せた。

 今年は8月に新アルバムを発売。ロックバンド、キャロルを結成した1972年(昭47)からの40年が凝縮された記念ライブ「BLUE

 SKY」を9月に横浜・日産スタジアムで開催した。11月7日、広島からスタートしたツアーは北海道から福岡にかけ、12月17日まで16会場で22公演。大御所だが、積極的にフリーペーパーや地方テレビ局の取材にも応じた。また、9月下旬にはNHKで矢沢の特集番組が放送された。突っ走ってきた節目の40周年を締めくくるために、大みそかの紅白出場は、矢沢にとっても重要だった。

 ホールを出て車に乗り込もうとする際、「風邪、ひいちゃったよ。喉がね~」とマスクの理由も明かした。それでも「バッチリ、バッチリ」と笑顔を続けた。矢沢節で盛り上げた本番前日。「グレイト」な舞台は整った。【三須一紀】

 ◆永ちゃん09年紅白VTR

 同局が長年出演交渉を続け、待望していた矢沢が、白組特別出場歌手として楽屋口から歩いて登場した。その場面から放送。矢沢は「カモンッ」と自らに気合を入れ、ステージに飛び込んだ。「時間よ止まれ」と「コバルトの空」を歌った。「時間よ-」で歌詞を間違えると、以降は画面のテロップから歌詞が消えた。歌い終わると、再び楽屋口へ。滞在わずか7分でNHKホールを後にした。