俳優舘ひろし(63)と女優浅野温子(52)が、05年の映画「まだまだあぶない刑事」以来、8年ぶりに共演することが29日、分かった。脚本家の橋田寿賀子さん(88)が16年ぶりに連続ドラマ脚本を手掛けるTBS系金曜ドラマ「なるようになるさ。」(7月スタート)で夫婦を演じる。舘と浅野にとっては、橋田作品に初挑戦となる。

 浅野との共演について舘は「8年もたってる?

 嫌になっちゃうね。でも僕は会った瞬間にオンコ(浅野の愛称)って感じ。ノリノリ。何してもいい感じ」と笑った。浅野も「時間が空いていたというのがウソみたい」。舘は「『あぶ刑事』の誰と共演しても、別な力が僕の中に生まれる気がする」と不思議なパワーを得た様子で、喜びをかみしめていた。

 2人は実年齢と同年代の夫婦役。舘演じる定年間近の会社役員は、息子たちも独立し、悠々自適の生活を想像していた。ところが浅野演じる妻から長年の夢だった「自宅レストラン」の開店を告白され、人生設計が大きく変わるという設定のコメディータッチのホームドラマ。役柄について舘は「小じゃれたオヤジで愛妻家。僕みたい。橋田先生の理想の男かな」。浅野は「舘さん以外、無理。ウソくさい男がやるから本当に見える」とジョークを交えて突っ込んだ。

 橋田ドラマといえば、セリフが長く、多いことで有名だ。舘が「(他作品では)僕のセリフは『…』や『-』が多い。いつもの10倍」と笑えば、浅野も「初回の台本のセリフが連ドラ12話分あった」と苦笑した。それでも舘は「橋田先生のドラマは僕の中で非常に遠いところにある。アクションでもないし、僕は寡黙な男でもない。でも挑戦、やってやろうという気持ちが生まれた」と燃えている。

 関係者によると、橋田さんは、07年TBS系ドラマ「パパとムスメの7日間」の舘と、10年フジテレビ系ドラマ「フリーター、家を買う。」の浅野を見て、いつか起用したいと思っていたという。橋田さんは「どのように演じていただけるか、とても楽しみ」と期待している。舘は「僕とオンコの作っていくものを大事にしたい。許されるなら橋田先生のドラマのあり方、においを変えたい」と意欲を示した。