70年代に多くのアーティストやファッション関係者らに愛された東京・原宿の伝説的バー「ペニーレイン」が、「あの頃僕らはペニーレインで」と題して舞台化されることが22日、分かった。5月3~5日まで東京・日本橋三井ホールで6公演上演され、哀川翔(52)が主演、小西真奈美(35)がヒロインを務める。

 「ペニーレイン」は70~80年代にかけてフォークやニューミュージック系のミュージシャンが日夜集まる“聖地”として知られた。吉田拓郎の曲「ペニーレインでバーボン」(74年)にも歌われ、当時は修学旅行の学生らが記念撮影に訪れるなど話題を集めていた。

 作品は田舎から夢を抱いて上京し、同店でアルバイトを続ける2人の男性と、デビューを夢見るシンガー・ソングライターの女性を中心に、夢と現実、大人とのぶつかり合いなど、当時の青春群像をノスタルジックに描く。企画・制作は同店を立ち上げたフォーライフミュージックで、同社の後藤由多加社長は「あの時代へのノスタルジー、時代を体現した音楽、そして青春という永遠のテーマを舞台で描きたい。あの頃、僕らがペニーレインで見た夢を時代を超えてよみがえらせていきたい」と意欲を見せる。

 直木賞作家の重松清氏が初めて舞台劇を書き下ろし、「東京ラブストーリー」や「ひとつ屋根の下」「ロングバケーション」など多くの青春ドラマを生み出した永山耕三氏が演出を手掛ける。哀川、小西のほか、安倍なつみ、柏原収史、宮崎秋人らが出演。

 ◆ペニーレイン

 1973年(昭48)にフォーライフミュージックの後藤由多加社長(当時はユイ音楽工房社長)が飲食店事業の一環として立ち上げた。ビートルズの曲名を店名にし、店内ではビートルズの曲が流れていた。音楽やファッション関係者など多くの人に愛されたが、客層などの変化に伴い90年に閉店。しかし、復活を望む声から06年5月に再オープンし、今もにぎわいを見せている。