第36回日本アカデミー賞授賞式が8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた。優秀主演女優賞の女優沢尻エリカ(26)が、昨年7月14日に行われた対象作「ヘルタースケルター」(蜷川実花監督)の初日舞台あいさつ以来約8カ月ぶりに公の場に姿を見せた。金髪、栗色のワンピース姿で、撮影時も携行したという熊のぬいぐるみ「コスモ」を“同伴”。変わらぬ存在感を示した。

 レッドカーペットに団子結びの金髪が映えた。沢尻は樹木希林(70)吉永小百合(67)草刈民代(47)松たか子(35)ら先輩女優の最後方につきながら堂々とレッドカーペットの中央を歩いた。ややふっくらし、柔らかい雰囲気になった印象で、誰よりもフラッシュを浴び続けたが、笑顔は崩さなかった。

 まず助演女優賞発表の際、「ヘルタースケルター」で共演した寺島しのぶ(40)から「役なのか本当なのか分かんない沢尻さんに、ついていくのに大変」と言われ、思わず笑った。そして寺島が放ったすごみに驚いたと打ち明けた。

 沢尻

 (殴るシーンで)結構、ビビっちゃってて、自分が。(手加減すると)映像で見えちゃうから、「ガツンと来い」「本気で来なさい」と言っていただいて。「分かりました」という感じで…。本当に女優魂を見させていただいた。(その時に)妊娠(2カ月)していたと後から聞かされて絶句しました。

 自身が登壇した際も、やはり共演の桃井かおり(60)への尊敬を口にした。07年9月29日の映画「クローズド・ノート」の舞台あいさつで「別に」発言をした時とは真逆の謙虚な姿勢。それでも、ドキッとさせるエピソードも披露した。

 沢尻

 ワンシーンが重く精神的にも体力を使った。発狂シーンなんか1回やるとドレスが汗びっしょり。“発狂ダイエット”と言ってた。今日、連れてきちゃった「コスモ」という熊ちゃんは私物。現場では下着や裸が多かったので、待っている時に抱いてかかえて座っていました。寺島さんに持っていただいて出演させていただき、(エンドロールの)クレジットにも入れていただいた現場の家族で、スタッフの一員です。

 結局、最優秀主演女優賞は逃したが、退場時には左右の手を交互に振って、笑顔で客席に応えた。関係者は「この8カ月間、何をしていたか詳しくは分かりません。今後の活動も未定」と話すが、エリカ様の存在感は変わらず絶大。次はどんな形で登場するのだろうか。【村上幸将】

 [2013年3月9日7時13分

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