小池百合子都知事と対決する都議会自民党の内部でついに、来年の都議選を控え、小池氏との連携を見据えた「分裂」の動きが始まった。

 都議会自民党に所属する、大場康宣(世田谷区、当選2回)、山内晃(品川区、同1回)、木村基成(小金井市、同1回)の各氏は28日午後、都庁で会見し、自民会派の離脱届を提出したことを明かし、「新風自民党」という新会派を近く届け出る意向を表明した。

 3人はこの日午前、高木啓幹事長に会派離脱届を提出。高木氏は「びっくりした様子だった」というが、受け取ったという。

 当選回数が近く、日ごろから話をする機会が多かったという3人。大場氏は「共通する志は都民感覚の政治の実現。これに尽きる。都民が願う、都民が当たり前と思うことを、都政で実現したい」「そのためには、自由闊達(かったつ)で民主的な環境の中、都民の利益となる結果を導かないといけない」と述べた。

 今回の動きのきっかけになったのは、7月の都知事選で、「そのころから、自分たちの課題を考え始めた」という。

 小池VS都議会自民の対決となる来年の都議選が念頭にあるかどうか問われ、「選挙を意識する思いが、まったくないとは言わない。結果的に判断されるのは都民だ」と述べ、否定はしなかった。

 現時点では3人以外に同調の動きはないが、中堅、若手の間には動揺が走っている。3人は、今後の「離脱組」の受け皿になる意向も示した。

 会派は離脱しても、自民党は離党しない。「自民党にとどまるのは、考えや立党精神を愛しており、この先も自民党の中で働きたい」としている。小池氏も、都知事選で自民党候補と戦ったが離党はしていない。

 都議会自民には現在、60人がいるが、3人の離脱で57人に。最大会派は変わらないが、これまで都議会で長く連立を組んできた都議会公明党が「連立解消」を宣言しており、年明け、都議会の勢力図がさらに変化する可能性もある。