妻以外の女性との不倫交際トラブルが報じられた自民党の中川俊直衆院議員(46)は21日、「これ以上、党に迷惑をかけるわけにいかない」として離党届を提出し、受理された。女性問題報道を理由にした政務官辞任から、わずか3日。中川氏が原因で国会審議が止まり、安倍政権や自民党への風当たりも強まる。「自発的な判断」とされるが、これ以上のリスク要因を抱えたくない党に、事実上「追放」された形になった。

 中川氏はこの日の衆院本会議前、事務所を通じて離党届を出し、本会議は欠席。フェイスブックで2度、一方的に謝罪した以外は公の場で説明もしていない。会見や地元入りの予定も未定という。政界関係者によると、中川氏の落胆ぶりは著しく、一部では「入院情報」まで飛び交った。

 自民党の二階俊博幹事長は「残念のひとこと」とした上で、「人間だから気の緩むようなところもあるだろうが、それは個人の場合。公人として選挙で選ばれてここに来ている以上、(問題を起こせば)マスコミや国民の皆さんの批判にさらされるのは当然だ」と、突き放した。党内外では依然、議員辞職を求める声もくすぶっているが、二階氏は「今ただちに、そういうことまでする必要はない」との認識を示した。

 今回の問題を報じた「週刊新潮」が、新たなスキャンダルを報じる可能性があるのも、党側が離党を急いだ一因のようだ。野党は、まともに説明もせず、雲隠れを続ける中川氏の態度に「離党だけで済むか」(中堅議員)と激怒。中川氏に議員辞職を迫る一方で、安倍晋三首相の責任も追及する方針だ。【中山知子】