菅義偉官房長官は13日、自民党本部で開かれた東京都議選(6月23日、7月2日投開票)の総決起大会に出席し、小池百合子都知事の政治手法や判断を、厳しく批判した。

 政権幹部が、党会合に出席するのは異例。菅氏はあいさつの中で、官邸が小池氏から主導権を奪った、2020年東京五輪・パラリンピックの仮設施設整備費問題に言及。大会で競技を開く千葉、埼玉、神奈川各県知事と9日に面会したことについて、「東京以外で行う時は、東京都を中心に負担することになっていたが、(小池氏が)3月までに約束してくれず、その日の会議でも約束してくれなかったので、憤りが限界に感じられた」と主張。「だから私は、総理に会ってもらった。総理は丸川(珠代)大臣を呼んで指示を出し、結果としてようやく丸川大臣のもとで決着した」と述べ、「もっと早くやってくれればいいのになと思った」と、小池氏を当てこすった。

 都の全額負担は11日に安倍晋三首相と会談後に小池氏が表明したが、菅氏は、丸川氏のもとで決着したと強調した。

 築地市場の豊洲移転問題にも触れ、「豊洲は6000億円ものお金をかけてできているが、知事の判断で移転が延期になった。有識者の会合で安全だと確認され、知事も都議会で法令上は安全だという答弁をしているが、まだ棚上げをしている」と、小池氏の判断を批判。「全国の地方自治体では、県全体で6000億円の予算がないところはいっぱいある。私の地元の秋田県の予算は、5600億円だ。東京は6000億円も使って、安全なのに、なんで利用しないのかとみんな思っている」と述べ、「こうしたことも早く(小池氏に)判断してほしい」と主張した。

 小池氏が事実上率いる「都民ファーストの会」についても、「何とかファーストの会」と発言。「何をなすべきかまだ見えず、候補も全員決まっていない。人によっては(サプライズで告示)直前に決めるという。これではファーストではなく、ラストではないか」と皮肉り、「こういうパフォーマンスやイメージで戦う候補に、負けるわけにいかない」と対決姿勢を鮮明にした。