第196通常国会は20日夜、22日までの会期を前に事実上閉会した。自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(37)は国会内で報道陣の取材に応じ、自身が主導した国会改革、自民党総裁選、自身のことなどについて、約30分、語った。主な一問一答は次の通り。

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-森友学園に関する文書改ざん問題に関し今年3月、「平成の政治史に残る事件と向き合っている」と言った。その思いは今も続いているか、一定の結論が出つつあるか

 進次郎氏 自分の中では、政治家の思考回路の中で、なにが最後の1つの絵姿になるか分からない。今回の豪雨発生で、東日本大震災のことが頭にわきあがったように、いろんなことが経験の中のものとかぶる景色が、自分の中で生まれると、そこから醸成される考えもある。だからこそ自然に、国会改革の思いが出てきた。でも、その問題を扱うほど、統治機構のあり方という深いテーマは、1つを論じるだけで、1つの問題が解決できるものではない。でも、今、何をしなきゃいけないかという中で、国会改革になった。

 完璧な絵姿を描けないと動けない、と言ったら、ずっと動けない。動きながらつくり、走りながら考える。この前、宇宙ごみの視察で若いエンジニアの方が、「成功するにはいっぱい失敗したい」と。あの言葉は印象的だった。僕も失敗はいろいろあるし、うまくいかないこともある。落ち込んだりね。でも全部自分がやっていることです。

-今国会、農業から宇宙ごみまで幅広く活動した。どう脱皮していきたいか

 進次郎氏 脱皮が何かは、自分では分からないが、「最近変わったね」と言われることもある。でも自分の中では、すべての活動に一本筋は通っている。「このままではいけない」「遅すぎる」という思いです。

-自民党総裁選に関して、石破茂さんについて

 進次郎氏 今の時期、だれのことを語っても、そういう報道に結びつけられる。個人の評価は答えない方がいいと思います。

-小泉さんにとって、ネットワークが広がった国会になった。「分断を生まない社会に」と強調しているが、現状への危機感か

 進次郎氏 与野党の信頼関係は大事。今回の国会改革で向き合っても、最後は理屈を越えたところで「よしやろう」となるかどうかは、立場を超えた信頼関係です。与野党だから立場は違うし、政治家は、自分の生き死にがかかった選挙と向き合っている。戦いたいモードもあるし、実際に戦わなければならない、そういう世界。ただ、言いたくなることもあるけどグッと飲み込み、今は敵でも、ある問題では仲間になるかもしれない思えば、ああ、ここで飲みこもう、突き放してはいけないと思う中、生まれるものがある。これからもそれは心がけたい。

-分断を意識するようになったのは

 進次郎氏 今は、そういうことを考えざるを得ない時代ではないか。トランプ大統領や、ヨーロッパのこと。政治が分断をあおり、その結果、何がもたらされるかだんだん見えてきている。それをやってはいけない。(国会改革に関して、独自の提案をつくった)立憲民主党について聞かれますが、違うところを見ようと思えば、いくらでも見ることができる。でも、どうやって一致している点を見るかというところは、意識して発信、振る舞いを心がけたい。分断、対立の方が分かりやすいし、政治家にとっては、その方が楽なことがあるかもしれない。でもここは踏みとどまらないといけないところではないかという思いが、特に問われている時代だと思う。

 象徴的と思ったのは、(立民の)枝野代表は(超党派の国会改革)実現会議を「無意味なパフォーマンス」と言われた。20日の衆院本会議で、枝野さんは長い時間(2時間43分)演説された。実現会議を無意味なパフォーマンスと言った枝野代表が結果として、国会改革の必要性を、身をもって見せてくださった。先ほど立憲の部屋に我々の提言を持参し、受け取っていただいた。皆さんの提言は各党に配布しないのか聞いたら、これからだと。立憲民主党の提言が各党会派に持ち込まれた暁には、共有できるところを探し、次の臨時国会ではいっしょのテーブルにつき、どこなら握手できるのかというところは、実現したい。