さあ「1位級の力」を発揮せよ。阪神ドラフト2位小野泰己投手(22=富士大)が今日22日の紅白戦で実戦デビューする。登板前日21日はブルペンで57球。ゆったりとしたフォームから、直球にスライダー、カーブ、フォークを織り交ぜ、クイックでも33球を投げた。「実戦で投げるのは久々なんで、楽しみです」とプロの打者相手の投球を待ち望んだ。

 大学時代はキレがあり、最速150キロを超える真っすぐが売りの本格派。プロで投球スタイルを変える気はなく、紅白戦でも自慢の真っすぐで押す心づもりだ。「まずは真っすぐを投げないと。そこから変化球を投げていきたい。自分の真っすぐがどれだけ通用するのか試したい」。相手は金本監督1年目の昨季、積極起用された若手が中心になると予想される。プロでの先輩に対し、真っすぐでどこまで勝負できるかを初実戦のテーマに挙げた。

 9日のブルペン投球では、打席に金本監督が構えると全球、ストレートを投じた。球筋を見極めた金本監督は「素材という面ではドラフト1位ぐらいの評価はある」。現状で、先発ローテーション6番目は空席。ルーキー右腕は「これから実戦で結果を出していくことが大事。明日はその1歩です」と力強く話した。はじめの1歩の直球で、金本監督のハートをわしづかみにする。【山川智之】