西武木村文が飛躍のシーズンに向け、オープン戦を本塁打で締めた。DeNA戦の4回無死、今永の内角低めの直球をうまく拾い、左翼席に運んだ。「第1打席で真っすぐがいいと感じたので、しっかり上からたたかないとと思った。内角の難しい球をいいポイントで打てた」とうなずいた。

 これでオープン戦、練習試合を通じて計4本塁打目。安打が出ない時期もあったが、しっかり持ち直した。「監督が事あるごとに、ヒットが出なくても打撃を小さくするな、自分のスイングを変えるなと言ってくださいました」。これまでは結果を気にするあまり、フォームを変え続けて負のスパイラルに陥ってきたが、今季はブレずにシーズンを戦い抜く覚悟ができた。

 辻監督はこの1発直後に木村文をベンチに下げた。「いいイメージで開幕を迎えさせたかったから、本塁打が出たところで代えました。足もあるし、肩もあるから相手が思い切った走塁ができなくなる」。走攻守そろった大器の活躍を、就任1年目のカギの1つととらえる。木村文も「1年通していいプレーをしたい」と意気込む。開幕スタメンは通過点。大ブレークでチームを優勝に導く。【塩畑大輔】