日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、フリー打撃を再開した。20日、千葉・鎌ケ谷の室内練習場で自主トレを行い、打撃投手相手に35スイング。右手首の炎症から、順調な回復ぶりをアピールした。前日19日には栗山監督から「打たないとダメだろ」とハッパをかけられたこともあり、“逆転”でメンバー入りした1軍の米アリゾナキャンプ参加に使命感をあらわにした。

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笑みを浮かべながら、久々の感触をかみしめた。清宮が、フリー打撃を再開した。打撃投手を相手に35スイング。右手首を痛め、昨年10月の秋季キャンプから遠ざかっていた本格的な打撃練習を堪能した。「久々すぎて前からくるボールだったり、打感だったり、今日1日ですごく確認出来たかなと思います」。ようやく、前進している実感が湧いた。「慣れてきたという感じです」と、前向きな言葉を続けた。

昨年の同時期には、悔しい思いを味わった。米アリゾナの1軍キャンプメンバーに決定後、右手親指を打撲。プロ初のキャンプは別メニュー調整を強いられ、実戦の打席にも立てなかった。今年もリハビリ中の身ながら“逆転”で2年連続の1軍キャンプメンバー入り。期する思いは人一倍強い。

栗山監督からはハッパをかけられた。前日19日のニッポンハムグループ展示会で、「打たないとダメだろ。こんな、ゆっくりしている場合じゃないだろ」と尻をたたかれた。一夜明け、さっそくフリー打撃を解禁した。「(状態は)日に日にって感じです」と慎重だが、2月9日の紅白戦(スコッツデール)、同11日の韓国NC戦(同)を見据えている。

「アリゾナに選ばれているというのは、戦力として本当に考えられている。その辺の意味は、自分でも分かっている」。1軍メンバー選出に踏み切った指揮官の思いは、理解している。この日は打撃練習後、午後4時過ぎからも1人、室内練習場でランニング。「1日でも早く、普段通りチームのために(プレーが)出来たら」。完全復活へ、余念なく進んでいく。【田中彩友美】

 

◆清宮の昨季米アリゾナキャンプ 新人合同自主トレ中の1月18日に右手親指を負傷した影響で、打撃練習が制限された。キャンプ前に一時、ティー打撃などを再開したが、2月1日のキャンプイン以降は打撃練習回避が続いた。現地10日の練習試合で実戦デビューも、途中出場で一塁守備のみ。同日にティー打撃を再開したものの、アリゾナ滞在中はフリー打撃を行うことも、実戦で打席に立つこともなかった。