仮想マシソン、み~つけた!

 11日、鳴尾浜での自主トレを視察した阪神和田監督が今季から打撃投手になった橋本健太郎投手(33)に、巨人マシソン対策としての役割を期待した。

 寒風吹きすさぶ球場にひときわ目立つ男がいた。今季から裏方として働くことになった橋本打撃投手だ。192センチの長身は選手と比較してもひときわ大きい。いや迫力も加味すれば“でかい”と表現した方がいいだろう。打撃投手としてマウンドに立てば、まるで外国人投手が投げ下ろすかのようだ。

 助っ人投手といえば昨季最も苦しめられたのが巨人マシソン。角度のある剛速球で押され、10試合で防御率1・46と封じ込まれた。打倒巨人に燃える指揮官は橋本打撃投手に仮想マシソンの役割を与えた。

 「あそこまで身長のある打撃投手は、なかなかいないからね。そういう意味では練習になるんじゃないか」

 くしくも橋本は191センチのマシソンをわずかに上回る身長192センチだ。04年ドラフト4位で阪神に入団。1年目の05年には球界を席巻した救援トリオJFKとともにブルペンから51試合に登板し、リーグ優勝に貢献した。ハシケンの愛称で親しまれ、ロッテに移籍後、昨季限りで引退。阪神に戻ってきて早々、大役に任命され「そう言ってもらえるのは光栄。期待にこたえられるよう頑張ります」と話した。

 王者巨人の強さの源とも言える強力リリーフトリオ「スコット鉄太朗」。その一角を崩すために新人打撃投手「スコット健太郎」が奮闘する。

 ◆橋本健太郎(はしもと・けんたろう)1980年(昭55)4月28日、大阪府八尾市生まれ。久御山-東北福祉大-日本新薬を経て04年4巡目で阪神に入団。1年目の05年に中継ぎとして51試合に登板して防御率2・30。09年に久保との交換トレードでロッテに移籍。昨年10月に戦力外通告を受け、12月に阪神と打撃投手として契約した。192センチ、93キロ。右投げ右打ち。