「山のあな、あな」で有名な「授業中」などの新作落語で人気を集め、23日に結腸がんによる腸閉塞(へいそく)のため都内の病院で85歳で亡くなった落語家三遊亭円歌(さんゆうてい・えんか)さん(本名中沢円法=なかざわ・えんぽう)の通夜が26日、東京・青山葬儀場で行われた。

 以下は、通夜に参列した三遊亭小遊三(70)と三遊亭好楽(70)のコメント。

 三遊亭小遊三 (初代林家)三平師匠と共に一時代を風靡(ふうび)しましたね。突然の訃報にはびっくりしました。楽屋で体に力がなくなってきて「しょうがないねえ」って言っていた程度で。そんなに悪いとは聞いてなかった。個人的には身分の差があったので、お付き合いはあまりできなかったですけど、仕事場で一緒になった時は、見てるだけで勉強になりました。芸は言うまでもなく素晴らしく、下の者にも気軽に声をかけてくれる師匠でした。師匠から学ぶことありますけど、私らとは受け方が違いますから。ああなりたいと、よだれをたらしてるだけですよ。なかなかまねできる芸じゃないですよね。爆笑の渦には見てるだけでほれぼれしたよね。歯切れが良く、手間が良くて、ツボを心得て、当たり前ですけど、すごい師匠でした。

 三遊亭好楽 黄金の寄席を築いてくれたのが円歌師匠でしたね。自分が爆笑王なのに、人の話を聞いてけらけら笑ってるんですよ。あの余裕がすごかったですね。(生前は)上野のおすし屋さんでよく会うんですよ。最後に会ったのもおすし屋さん。ついこないだも会ったような。ビールしかお飲みにならないから、楽しそうに飲んでいる姿が目に焼きついていますね。本当にかわいがってもらいました。偉そうなことなんてみじんもなかったです。それを今思いながら、長い間、寄席を守ってくれて、後輩を育ててくれて、ありがとうございましたと言いました。寂しいですね。(円歌は)天性のお客さんを笑わせる力というものを持ってる。勝てないです。我々、頑張らないといけないなと思いましたね。同じようなことはできませんしね。