J2札幌がついに敵地で苦杯をなめた。C大阪に完敗し、開幕からのアウェー連続不敗はJ2タイ記録の11試合で止まるとともに、今季初の2連敗を喫した。前半17、37分と連続失点。後半11分にFW都倉賢(29)のゴールで1点差に詰め寄るも同17分に3点目を決められ突き放された。8勝10分け5敗の勝ち点34のままで、順位は前節の7位から9位に落ちた。

 武器だった札幌の堅守が崩壊した。まずは前半17分、DFパウロン(25)のオーバーヘッドでのクリアを拾われ、MFパブロ、FW田代とつながれ、あっさり先制点を献上した。同37分には、またもパブロのスルーパスから玉田に決められ0-2。後半11分に3戦ぶり出場の都倉が1点を返すも、6分後の17分に3点目を決められ、突き放された。

 「相手の出来が良かったのではなく、私たちのポジショニングミス、技術的ミス、判断のミスが原因。特に1点目は、ミスで相手にゴールをプレゼントしてしまった」とバルバリッチ監督。1点目は、不用意なパウロンのクリアを奪われ櫛引、パウロンの2人が、そろってボールを持つパブロに引き寄せられ、がら空きとなった田代に右のスペースを突かれた。福森は「近くにいた自分が声をかけていれば」と反省。開幕から11試合続いていた敵地不敗は、29度、湿度66%という蒸し暑い大阪のピッチで、もろくも崩れ散った。

 痛恨の後半戦連敗発進となった。財前体制の13年3月31日のG大阪戦(1-3)、4月7日の岡山戦(2-3)以来となる2試合連続の3失点。守備を重視するバルバリッチ監督就任後では、35戦目にして初の事態となった。福森は「いいときはDF3人の距離感が良かった。今回は距離がありすぎて、間をうまく使われてしまった」と改善点を挙げた。前半戦はリーグ2位の21戦16失点と安定した札幌の堅守。大宮、C大阪とタレントぞろいの難敵に食らった6発を、次への糧にしなければならない。

 プレーオフ圏6位ターンも、2試合連続の黒星で9位に転落した。3戦ぶり出場のMF稲本は「出足の1つ1つがC大阪の方が早かった。全体的な技術の差もあった。はい上がってコンディションを整えたい」と前を向いた。まだ6位福岡と勝ち点3差。この試練を乗り越え、上位に食らいついていく。【永野高輔】