セレッソ大阪小菊昭雄監督(48)は24日、大阪市内で行われた公開練習後に取材に応じ、クラブ所属のU-23日本代表DF西尾隆矢(22)に対し「成長していってほしい。また、強く優しくなれると思う」とエールを送った。

現在開催中のパリ・オリンピック(五輪)予選を兼ねたU-23アジア杯(カタール)で、16日の中国との1次リーグ初戦に先発した西尾は、前半17分に相手への肘打ちで一発退場処分となった。

試合こそ1-0で逃げ切れたものの、日本は10人で戦い続け、西尾の不用意なプレーにSNSなどでは批判も集まっていた。

西尾を下部組織時代から指導してきた小菊監督は、今回の件で初めてコメントした。もちろん、反省を促した上で「元々、フェアな選手。一瞬(肘で)振り払おうとした。でも、振り払おうとしたことが、どうなのかというのもある。故意にやったわけではないが結果、ああいうことになったので、しっかりとこの経験を次に生かさないといけない」と、真剣な表情で語った。

一方で「若い選手は、いろんなアクシデントやエラーから成長する。選手だけでなく、人としても成長する。次に生かして、また、強く(人間的にも)優しくなれると思う。成長していってほしい」と、今後に期待した。

同じく元韓国代表GKキム・ジンヒョン(36)も「まだ22歳、これからの隆矢の成長が楽しみでしかない。僕もいろいろ(退場処分など)やっているから。サッカーって人間性を丸くしたり、鍛えてくれるスポーツだと思う。隆矢もこれがきっかけで強くなる」と、含蓄のある言葉を贈った。

退場で3試合の出場停止処分となった西尾は、25日の準々決勝カタール戦までプレーできない。今大会でパリ五輪の出場権を得るには、3位以内が条件となり、西尾は仲間の勝利を信じて準決勝以降へ準備するしかない。

日本と同じくベスト8に進んだインドネシアには、C大阪所属のDFジャスティン・ハブナー(20)がおり、次は韓国と対戦することになった。