ソチ五輪金メダリストで、SP、フリー、合計すべての世界記録保持者である羽生が金メダル候補であることは変わりないが、急成長する宇野も羽生を脅かす存在になりつつある。羽生は今季初戦オータム・クラシックで史上初の4回転ループを成功。4回転は3種類となり、フリーでは自己最多の4本に挑戦。一方の宇野は4回転は2種類だが、フリップは羽生の持つループより基礎点が0・30点高い。2人とも今季のプログラムの基礎点はSP、フリーともに同等。出来次第では今季、宇野が羽生の点を上まわる可能性は十分ある。

 ただ表現力を表す演技構成点では羽生が昨季GPファイナルでSPで49・14、フリーで98・56とほぼ満点をマーク。宇野はSPは43・28、フリーは91・08(ともに今大会)がベスト。表現力をいかに高めていくかが今後のカギになる。

 15、16年世界王者のフェルナンデス(スペイン)はフリーで200点、合計でも300点超えしており、宇野、羽生の最も強力なライバル。16年4大陸選手権のフリーで史上初めて4回転4本を成功した19歳の金博洋(中国)もメダル争いに絡んできそうだ。【高場泉穂】