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第349回    藤本美貴  
2003.02.09付紙面より


カッコカワイイ歌手になるゾ!! 藤本美貴

 「ミキティ」ってだれでしょう。即答できるお父さん、大したものです。そう、国民的アイドルグループ「モーニング娘。」に新加入した藤本美貴(17)の愛称です。ド新人ではありません。昨年末のNHK紅白歌合戦に、ソロ歌手として紅組トップバッターで登場した実力の持ち主です。定番のミニスカート、ちょっぴりハスキーな歌声。03年、注目の存在です。

(写真=シャッターの音にあわせて次々と表情を変え、ポーズを決めてくれた藤本美貴ちゃん。カメラマンが指示を出す必要がないほどで、その勘の良さに驚かされました)


愛称定着

 愛称が一人歩きしたら、人気者になった証拠。ご存じ「キムタク」の木村拓哉はその代表例。「ゴマキ」(後藤真希)「なっち」(安倍なつみ)「あやや」(松浦亜弥)も、耳なじんだ愛称だ。

 「ミキティ」も、いま、ぐんぐん浸透している。「美貴」に由来するのはすぐ分かるが、シンプルに考えれば「ミッキー」。ところが、本人はミッキーよりもキティちゃんが好きで「ミキティ」になったという。

 昨年末、ソロ歌手デビュー1年弱ながら紅白に初出場した。紅組トップバッターの大役で、モー娘の8人をバックダンサーに従え「ロマンティック浮かれモード」を歌った。ピンクのミニのキャミソール風ワンピースに、真っ赤な羽根付き衣装。会場に響く愛称の連呼はお茶の間にも届き、さらに全国区になった。

藤本美貴

 藤本 昨年は、すごく早かったけど、いろいろと初めてのことがいっぱいできて楽しかった。紅白でビックリしたことはなかったです。ただ、トップバッターだったので、曲が流れるギリギリまで出場者の皆さんが前にいて。その時が1番ドキドキ。「ヒャー」みたいな(笑い)。

 なんとも17歳らしい、感想。もっとも「もう頭が真っ白になりました」なんって言われても、逆にピーンとこない子でもある。

 藤本 もともと緊張しないタイプなんです。松浦亜弥ちゃん(16)からは「緊張するよー。何も覚えてないもん」と言われていたけど。曲がかかると「ウォー」とは思ったけど、紅白での出来事、ちゃんと覚えていますよ。

 少しハスキーな歌声と違い、インタビューで「ヒャー」「ウォー」と擬音語を使っての受け答えは、17歳の女の子らしい語り口調。何事にも動ぜず、迎合せず、それでいて素直。さすが、今を時めくプロデューサーつんく♂(34)が、見込んだだけある。

 藤本のモー娘入りのニュースが流れたのは、紅白からわずか6日後だった。


普通の子

 モー娘は今回が第6期体制だが、過去、新加入はすべてオーディションから選ばれた新人だった。すでにソロデビューしている人気者の加入は初のケース。

 藤本にモー娘入りが伝えられたのは「ヒャー」「ウォー」と騒いだ紅白歌合戦の終了直後、03年が始まってすぐのことだった。

 藤本 紅白が全部終わって、別の場所で、つんくさんと2人っきりで話しました。マネジャーさんとかもいなかった。とりあえず「紅白お疲れ」みたいな感じで始まって「どうだった?」なんって。そして「モーニングの6期メンバーのオーディションやってるの知ってるよね?」と言われたので「知ってますよ」と答えると「6期メンバーに入ります」って。「えっ?」ですよ。普通に「入ります」って言われても、普通に言っていいことかな? なんて思って「あっ、そうですか…。えっ、ええー」と言いました(笑い)。

 藤本は「第3回モーニング娘。追加オーディション」(00年4月)に応募したが、落選した経験を持つ。このとき合格したのが石川梨華、吉沢ひとみ、加護亜依、辻希美の4人だった。

藤本美貴  小さいころの夢は、美容師か福祉関係の仕事に就くこと。小学校低学年のころ、安室奈美恵(25)の歌が好きになり、あこがれた。「歌手になりたい」という思いが日に日に強くなった。出身地の北海道では、スカウトという形はめったにない。雑誌やテレビ番組などで告知するオーディションを探し、出会ったのが同オーディションだった。

 藤本 落ちたときは、ちょっぴり悩んだかな。でも落ち込んだりはしなかった。なんだろーなあ、あまり悩まない性格なんですよね。そうこうしてたら、モーニングと同じ事務所のスタッフから「レッスン、受けてみない?」って。

 そんな性格が功を奏したのだろう。あれよあれよの間に実力をつけ、02年3月に、つんく♂ファミリーの一員として「会えない長い日曜日」で歌手デビューする。クラスにいそうな、親しみやすさで、男の子を中心にファンが急増。藤本の代名詞となったミニスカートも人気の要因となり、3枚目のシングル「ロマンティック−」は音楽情報誌「オリコン」のシングルチャートで3位に初登場。ミキティの愛称が定着したのもこのころだった。

 「藤本はソロ歌手で実力をつけてきた。現メンバーにとっても刺激になるわけだし、モー娘も藤本美貴も僕も新鮮を維持することができます」。藤本のモー娘新加入を発表したときの、つんく♂のコメントだ。新陳代謝しながら増殖していく新生モー娘の“核”になり得る期待が込められた。

 藤本 6期は美貴以外に3人入って16人の大所帯になった。しかも、2つ(8人組「さくら組」、7人組「おとめ組」)に分かれたりとか、これからいろんなことがあるので、普通にモーニングに入る感じじゃない。私は「おとめ組」ですが、活動展開も未知の世界で楽しみ。藤本美貴が入ってモーニングもパワーアップしたよねーとかなればいいですね。16人の中に埋もれないように頑張りたいです。

 ミキティが加わる新生モー娘は保田圭(22)が卒業した後の5月から動き出す予定だ。


家族

 いまはソロ歌手ミキティである。5日に新曲「ブギートレイン’03」を発売し、8日からは福岡・DRUM LOGOSを皮切りに初のソロコンサートツアーがスタートした。9会場20公演。ツアーのファイナルには故郷・北海道での凱旋(がいせん)ライブも決まった。

藤本美貴  藤本 体力が持つかな?とも思うけど、心配してもしょうがないし。北海道の公演も決まったけど、どこでやってもステージに上がる気持ちは変わりません。

 きっぱり言うものの、普通の17歳と同じく、家族と会えない寂しさはある。

 藤本 お正月帰ってないんですよね。友達というより家族大好きなんです。家族で誕生会なんかしてワイワイしているのを電話で聞くと、すごく切なくなります。(同世代で)家族と一緒にいるのは嫌だという人もいるけど、私の家族はラブラブですよ。お母さんとは毎日、電話してますし。(私が)東京に来てからは、家族の誕生日に服や時計とか、みんなの欲しい物をプレゼントしてます。したいんです。

 18回目の誕生日の2月26日には初アルバム「MIKI(1)」を発売する。これまでは「ロマンティック―」など、うつむき加減の人を元気にさせるような歌が多いが、バラード曲やロックなども収録される。大人の門をたたき始めた彼女を感じる1枚になる。

 藤本 格好良さの中にも、かわいらしさを保ち続ける歌手でありたいと思っています。カッコカワイイ人ですね(笑い)。今年は気になる人になりたい。まだまだ、私のこと知らない人はいっぱいいます。お父さんやお母さん、ジー(おじいさん)バー(おばあさん)の世代関係なく、気になる存在でいたいです。

 「カッコカワイイ人」。単純な造語だが、ミキティらしい言葉で表現した自分像である。


こんな前向き17歳初めて

 ニッポン放送「ハート・デイズ・レディオ」の担当ディレクター松村有希子さん(26) デビューしたころ、ある番組のゲスト出演した際に1度、お会いしたのですが、その時に比べると堂々とした表情になっていてビックリ。きゃしゃな体でかわいいのに体育会系のあいさつをするんです。楽屋中に響くような大きな声で。自分ではよく「さばさばしてる」と言いますが、ガッツがあります。情熱的。リスナーからはがきで寄せられる批判的な意見も吸収して、できないことがあるとそれを克服しようと努力している。すごい前向き。私の中では初めて出会ったしっかりした17歳の女の子。今のパワーを持ち続けて活躍してほしいです。


 ◆藤本美貴(ふじもと・みき) 本名同じ。1985年(昭和60年)2月26日、北海道生まれ。01年10月、テレビ東京系「新・美少女日記」でデビュー。02年3月「会えない−」で歌手デビュー。「そっと口づけて ギュッと抱きしめて」「ボーイフレンド」などを発売。02年には「おどる■11」などのメンバーも務めた。同年10月に後藤真希(17)松浦亜弥と3人で「ごまっとう」を結成。「SHALL WE LOVE」でオリコン初登場1位を獲得。ニッポン放送「ハート・デイズ・レディオ」(木曜午後9時30分)などに出演。155センチ。血液型A。
※■はハート

 ◆パーソナリティー ニッポン放送「藤本美貴 ハート・デイズ・レディオ」と、中部日本放送(CBC)ラジオ「ドキミキナイト」(日曜深夜0時)に出演中。前者は10代の恋愛話が中心で、後者では将来、学校のことなど悩み相談にもこたえている。


(取材・米村洋志、撮影・加藤文朗)
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