【第73回】
ささいなストレスでも上昇
高血圧(心身症)
生活習慣病で最も患者数が多いといわれているのは高血圧。その数、約2000万人。高血圧が怖いのは脳卒中や心臓病などに結びつくからである。
高血圧には2つのタイプがある。ひとつは『二次性高血圧』で、肝臓や副腎などに病気があり、それが原因で高血圧になる。もうひとつは『本能性高血圧』で、原因は不明だが最も大きなファクターとして遺伝が関係している。
もちろん、遺伝因子がすべてではなく、環境因子もある。環境因子としては「食塩の摂取過多」「アルコールの飲みすぎ」「肥満」「運動不足」、そして「ストレス」だ。
病院の診察室で血圧を測ると、家庭で測るよりも高く出ることがある。国立循環器病センターの研究によると、平均して収縮期血圧で20ミリHg程度高くなる。このように家庭では正常範囲なのに、診察室へ行くと高血圧になる場合を「診察室高血圧」とか「白衣高血圧」と呼んでいる。
白衣高血圧もストレスが血圧上昇の原因。そして、その血圧は非常にささいなストレスでもアップすることが実証されている。
単純な引き算をする。100から7を順々に引いていく。この計算を続けていくと、約10%の人は次第に血圧が上昇し、収縮期血圧で30ミリHg以上もアップする。これは交感神経が緊張するためで、一時的な血圧上昇だが、ビジネスマンの場合はこのアップした血圧の状態が続いていると考えられる。
交感神経との関係では、阪神淡路大震災直後の血圧上昇に関して、近畿中央病院が注目すべき発表を行った。
地震直後1〜2週間の平均血圧の上昇は40±0・6ミリHg。そして、4週間後には以前の数値に戻った。
この時の血圧の上昇は、降圧薬のひとつ「β遮断薬」服用者では他と比較してはっきりと抑えられていたのである。
ストレスと血圧上昇には交感神経が関係する。β遮断薬は心臓に神経の伝達が来ないようにする薬なので、交感神経の興奮からも逃れられた。ストレスに弱いという方は、このような薬を服用すると心筋梗塞(こうそく)の予防に結び付くと思われる。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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