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  スポーツNOW(1月15日付)
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Jリーグ大不況…失業者117人、再就職は7人

スタンドで見守った各球団スカウトにマイクで自己PRする元東京V矢野隼人(左)と元柏町田忠道=1月9日、東京・国立競技場

スタンドで見守った各球団スカウトにマイクで自己PRする元東京V矢野隼人(左)と元柏町田忠道=1月9日、東京・国立競技場

 Jリーガーの「平成不況」が深刻化している。このオフに戦力外通告を受けた選手は約150人。その平均年齢は25歳で、ベテランよりも入団3〜4年目の若手が多数を占める。Jリーグでは救済措置とし、全28クラブに呼びかけ初の合同入団テストを2回実施。延べ140人が参加したが、現時点で、Jクラブに再就職できたのはわずか7人だけだ。W杯や欧州移籍など華やかな話題が目立つプロサッカー界だが、現実は厳しい。

 

◆中田と同世代

 日本サッカー協会は14日に最新の移籍リストを公表した。戦力外通告された約150人のうち、引退などを除き、掲載された日本人選手は117人。いまだに移籍先が決まっていない「リストラ」選手たちだ。年齢層が低い。リストの平均年齢25・3歳。パルマのMF中田と同世代が中心だ。本来、戦力外の対象となるはずの30代は全体の15%にすぎない。

 昨年はW杯開催と日本代表の躍進に日本中が沸いた。トップ選手は億単位の移籍金で欧州リーグへ移籍した。一方、不況がJクラブの経営を圧迫。W杯前の昨オフも113人がJを去った。昨季開幕時の日本人登録選手は775人。リストラ対象は戦力として計算できるベテランより、成長過程の若手に集中した。

 この事態に、Jリーグは救済措置に乗り出した。昨年12月9日と今年1月9日に2度合同入団テストを実施。東京・国立競技場に戦力外通告を受けた選手延べ140人を集め、実戦練習をJクラブの強化担当に公開した。


 

◆結婚、子供…

 参加選手は現役続行へ必死にアピール。20歳のGK渡辺は横浜FCを解雇された後に3クラブのテストを受けていた。「まだプロになって2年。解雇は納得できない。サッカーで生きていきたい」と話した。湘南で主将を務めたFW栗原は「昨年5月に結婚し、8月には子供も生まれた。やめるわけにはいかない」と訴えた。

 復帰を目指す元選手もいた。昨オフに新潟を解雇されたFW大西は昨年スタイリストのアシスタントになった。しかし現実は厳しかった。新潟時代の年俸は240万円。蓄えはなかった。親の仕送りが頼りだった。「6月から練習を再開しました。セールスポイントは『安い』です」と笑った。


 

◆韓国、中国へ

 現時点で合同テスト後にJクラブと再契約できた選手は7人だけだ。選手と年齢の近い浦和の西野努スカウト(31)は「解雇された選手は1%のチャンスにもすがりたいはず。自分にも経験があるので気持ちは痛いほど分かる。でも協力はしたいけど同情で獲得しても本人のためにならない」と断言する。

 もっと手厳しいクラブ関係者もいる。あるJ1クラブの強化担当者は「正直言って練習を見ただけで選手を獲得するクラブはないでしょう。普段試合に出てない選手にはなかなか手を出せない。入団テストの目的? ほかのクラブの強化担当との情報交換だね」と本音を漏らした。

 Jリーグでは昨年4月に戦力外選手の再就職を支援する「キャリアサポートセンター」を設立している。大学の就職課のように選手の窓口となり、退団後の求人先を紹介している。しかし若い選手ほど再就職に踏み切れないのも事実だ。このオフに企画したインターシップ(就業研修)も参加者がなく中止した。

 Jリーガーにはプロ野球のような入団時の契約金がない。初年度の年俸も最高480万円と決まっている。若い選手ほど「いつかきっと」の思いは強い。昨オフにJクラブを去った113人のうち53人はジャパンフットボールリーグ(JFL)や社会人リーグでサッカーを続けている。大宮を解雇されたMF岩瀬は「行き先がなければ韓国や中国にも足を延ばす」と話す。新たなシーズンを迎えてもリストラ選手の挑戦は続く。【首藤正徳】

引退後の生活お助けします JがCSC設立

 Jリーグでは昨年4月に選手の引退後の生活を支援する「キャリアサポートセンター」(CSC)を設立した。リクルート社からの派遣マネジャーを含む3人のスタッフが中心となり、戦力外通告を受けた選手の就職相談や現役選手を対象にした研修などを行っている。

 スポーツ用品メーカーやスポーツジム、さらにサービス業など100社を超えるさまざまな求人情報を提供。昨年6月には入団1年目で仙台を解雇された斉藤太一郎さん(20)が同センターの紹介で千葉県内の大型スポーツ用品店に就職している。ただ設立半年足らずで選手間での認知度は低く、昨年末に初めて試みた企業の協力を得て仕事を体験するインターシップ(就業研修)は応募者がなかった。

 

◆移籍リストの内訳

 現在のリストに掲載されている日本人選手117人のうち最も多い所属クラブはJ2甲府の16人で全体の13.6%にも及ぶ。16人のうち最高齢は28歳で、10代2人を含む13人が25歳以下だった。J2福岡の11人がこれに続く。経営が苦しいクラブほど選手を大量解雇している。一方でJ1の最多は柏の8人で、ここでも全員が25歳以下の若手だ。昨季J1残留争いまで経験するほどチーム力が低下したことで大幅な戦力強化に踏み切ったことが影響した。


 

◆プロ野球では

 02年に支配下選手登録されたのは外国人選手を含めて805人(日本人は735人)いた。そのうち昨年オフにユニホームを脱いだのは124人で内訳は外国人選手が37人、日本人選手は87人。日本人選手87人のうち33人はコーチやスコアラー、打撃投手などの球団職員になっており、日本の球団関係以外の職に就くのは54人。この中には台湾、韓国などの海外野球に挑戦する選手や社会人野球に復帰する選手、野球解説者となる選手も含まれている。

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