北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の最側近で党序列5位の崔竜海党副委員長が30日、ブラジル・リオデジャネイロ五輪の開会式に出席するため空路で平壌を出発した。

 崔氏は、北朝鮮でスポーツ政策を統括する国家体育指導委員会の委員長を務めている。北朝鮮が最高指導部メンバーの崔氏をリオ五輪に派遣する背景には、スポーツを通じて国威発揚を図ろうとする指導部の意気込みがうかがえる。

 北朝鮮はリオ五輪で重量挙げやレスリング、柔道、卓球、体操など9競技に約30人の選手が出場する。選手団は28日にリオの選手村に入った。

 北朝鮮はスポーツを好む金正恩氏の指導の下、「体育強国建設」をスローガンにスポーツ振興に力を入れている。

 外交筋によると、崔氏はブラジルに1週間ほど滞在する見通し。北朝鮮は2001年にブラジルと国交を樹立。首都ブラジリアに大使館を置いている。

 14年のソチ冬季五輪の開会式には、北朝鮮から対外的に国家元首の役割を務める金永南最高人民会議常任委員長が出席していた。