リオデジャネイロ五輪で112年ぶりに実施されるゴルフ。男女2人ずつの日本代表は現地入りがばらばらで、航空券を自腹で購入するなど有力プロならではの事情がのぞく。

 8月5日の開会式に出るために航空券を自力で確保したという男子の片山晋呉は「本当に大変。ストレスもかかる」と不満そう。選手団の用意していた便では開会式に間に合わず「次の人に『開会式はこうだった』と伝えるためにも出席したい」という片山の意向と合わなかった。

 高額の賞金を稼いでビジネスクラスを当たり前に使うゴルファーにとって、エコノミークラスでの渡航も厳しい条件。31日までメジャーの全米プロ選手権で奮闘する池田勇太も同様に自費で航空券を入手したという。

 野村敏京も31日までメジャーの全英リコー女子オープンがある。メジャーの後は拠点のハワイ経由で南米へ。ゴルフは代表決定が7月中旬と遅かったうえ、直前に出る試合も異なるため足並みをそろえるのは難しい。

 まとめる立場の五輪ゴルフ競技対策本部、倉本昌弘強化委員長は「JOCが決めたルート以外で行くのに、JOCが払うわけがない」と語る。選手団の大半は指定された日程でエコノミーに乗るだけに「(ゴルファーが文句を言うと)JOCも気分を害するし、他の団体も『何だ、プロは』となる」と外からの目を気にしていた。