守備のミスをつかれたG大阪の完敗だった。鹿島に先制点を奪われた場面はセットプレーから、今野とパトリック、米倉の3人が同じ選手1人(山本)をマークしてしまい、動きが重なった。得点したファン・ソッコを完全にフリーにさせた。2点目もマークできていなかった。肝心の場面で守備の人数がいることに安心してしまい、球際のチェックも甘くなった。もっと厳しくいくべきだった。

 攻撃も宇佐美とパトリックの距離が間延びしすぎて、連係がなかった。90分間で2人のパス交換が1、2回程度。2人によって生まれるスペースに本来は倉田や阿部が飛び込むのが強みだったはず。鹿島に分断されたという見方もあるが、G大阪の準備が足りなかったという表現が正解だろう。

 加えて、攻めている際の守備のポジショニング、攻められている際の攻撃のポジショニングが、まだまだ的確ではない。いずれも改善しないと、J1リーグ戦と天皇杯でタイトル獲得は難しくなる。(日刊スポーツ評論家)