九州から日本代表の主力を目指せ! 高卒ルーキーながら急成長を見せている鳥栖MF鎌田大地(19)に注目している。今季は第2ステージ第7節終了時点で13試合3得点だが、とにかく勝負強いという印象がある。鳥栖にとってエースFW豊田陽平(30)の存在感が際立つ中、これまで課題だった新戦力、特に攻撃的な若手が台頭してきたことが持つ意味は大きい。

 強運の持ち主だ。J1リーグ戦デビューとなった5月10日松本戦の鮮烈弾は、今でも脳裏に焼きついている。敗戦濃厚と思われた1点を追う終了間際だった。「こぼれるだろうと思った」。ボランチで後半途中出場した鎌田はゴールへの嗅覚とも言える的確なポジションどりから、クラブ最年少18歳で同点に追いつく初ゴールを決めてピンチを救った。

 それだけではない。ジュニアユース時代に所属したG大阪との7月22日の一戦では、攻守の要のFW豊田とGK林彰洋(28)を故障で欠く危機的状況下、後半に値千金の同点弾も決めている。8月16日の前節山形戦でも先制点を決めて6戦ぶりの勝利に貢献するなど、キレ味鋭いストライカーの役割も器用にこなす抜群の得点能力が魅力だ。

 武器はまだある。足元の技術を生かした巧みなボールコントロールや絶妙のタイミングで出すキラーパスも得意。7月11日柏戦は2アシストで勝利に導いた。「攻撃の選手としてゴール前でどれだけ仕事ができるかを意識している」という。積極的にDFの裏を突くプレーなどで、とてもルーキーとは思えない活躍につなげているのだ。

 8月のU-22(22歳以下)日本代表候補のトレーニングキャンプメンバーに選出されたのも実力の証しだ。8月23日から4日間行われる京都合宿は、日本代表ハリルホジッチ監督も視察予定だけに猛烈アピールのチャンスとなる。鎌田も「(視察に)だれが来るとかじゃなく、結果を残せるようにしたい。しっかり持ち味を出してきたい。鳥栖の代表で行くので」と燃えており、将来の日本代表を担う新星探しの期待に応えるつもりだ。【菊川光一】

 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。