【アルアイン(UAE)19日】左膝手術の可能性が浮上した日本代表主将のMF長谷部誠(33=フランクフルト)が、ドイツから当地に到着した。クラブが発表した手術が必要か、既に現地入りしているバヒド・ハリルホジッチ監督(64)と医療班が直接確認する。23日(日本時間24日)のW杯ロシア大会アジア最終予選UAE戦を欠場することになれば、出場停止以外では最終予選で初めて長谷部抜きの戦いを強いられる。

 長谷部がUAEに到着した。ドバイ国際空港にゆっくりとした足取りで姿を見せ「これから話し合うために来た」と話し、代表スタッフの診断を受けるため、約130キロ離れたアルアインへ向かった。早朝、首都アブダビ経由でアルアインに入っていたハリルホジッチ監督も面会を強く希望。話し合った上でUAE戦の出場可否を判断する。

 長谷部は11日Bミュンヘン戦で左すねをポストに強打。6針縫った上、左膝も痛めていた。チームは17日までに状況を把握したが、フランクフルトがMRI検査の結果を受けて18日に「手術を受ける」「無期限離脱」と発表。地元メディアも「一時帰国して、内視鏡手術を受ける」と追随していたが、普段から情報交換している代表スタッフと相談せずに、代表選手が手術を決断することはない。直接「正しい情報」を集める。

 ただ、痛みが強いのは事実で18日ハンブルガーSV戦もベンチ外。UAE戦の出場は難しい状況だ。ハリルホジッチ監督もこの日「今、難しい状況にあるのはみなさんもご存じだと思います」と懸念を示した。欠場した場合の影響は計り知れない。08年以降、長谷部は出場停止だった3試合を除き、すべてのW杯最終予選に出場してきた。その3戦も、すべてW杯出場が決まった後の消化試合。真剣勝負では初めて、大黒柱を欠いたゲームを強いられる。

 10年から務める主将は8年目を迎え、ハリルホジッチ監督も「彼なしのチームは考えられない」と全幅の信頼を置いていた。W杯予選への出場試合数も、井原正巳を超える歴代最多の「34」。指揮官が直前までこだわり、状況を見極めるのも、穴埋めが容易ではないからだ。昨年9月に負けたUAEとの再戦を前に、ハリルジャパンが想定外のキャプテン不在危機に直面した。【益子浩一、木下淳】