20日に開幕するU-20(20歳以下)W杯韓国大会の日本代表メンバーが2日、日本協会から発表され、15歳の高校1年生FW久保建英(たけふさ、東京ユース)が選ばれた。2世代下からの「飛び飛び級」は史上初で、自身初となる世界大会の目標に「優勝」を掲げた。期待のゴールでは、過去に飛び級で得点した中田英寿や平山相太を超える「大会3発」を、まずは狙う。1次リーグD組の日本は21日に初戦の南アフリカ戦(水原)を迎える。

 15歳は素直にうれしかった。飛び飛び級の最年少選出を正式に聞いた久保は「正直、確信はなかった。先輩方が結果を出していたので」。小川や堂安がJ1の公式戦で得点を量産し「(Jリーグ最年少)ゴールは決めたけど、足りないんじゃないかと…。ホッとしました」と打ち明けた。会見中に何度も見せた笑顔が重圧からの解放を物語っていた。

 日本では07年香川真司以来10年ぶり11人目の飛び級に、初の“2階級特進”で食い込んだ。主将の坂井らとは最大5学年の差があるものの「年下だからミスしても仕方ない、は許されない。上の世代とも互角以上に戦えるモノが少なからずあるから、呼ばれたと思う」。東京で今日3日、年齢制限のないルヴァン杯札幌戦でJ1公式戦デビューを飾る予定の男に気後れはない。

 自身初、20年東京五輪の中核世代としても最初の世界大会になるU-20W杯。抱負を聞かれても強気だった。全世代を通じ、FIFA公式大会で日本男子の優勝はないが「出るからには優勝」。個人的に1次リーグ対戦国の情報も集め始めており「南アフリカには予選得点王がいて、ウルグアイは南米王者。イタリアも守備が堅い。自分の攻撃力が問われるし、優勝するにはどの国でも倒さないと」とイメージを膨らませた。

 内山監督から「判断が速く精度が高い」と認められるのは、やはり得点力だ。過去に日本の飛び級選手が決めた1大会の最多得点数は、95年中田と03年平山の「2」。まず1試合1得点を目安に点を積み重ねていけば「将軍」と「怪物」を超えて新たな伝説になる。