八百長疑惑でスペイン検察当局から告発されている日本代表ハビエル・アギーレ監督(56)が27日、東京・文京区のJFAハウスで会見した。

 一連の疑惑について、告発された後に自ら口を開くのは初めて。多数のフラッシュを浴びながら登壇したアギーレ監督は「本日まで皆さんの前で発言しなかったのは、正式なものがなかったから。このたび、訴状が提出されたということで、私の意見を申し上げたい」と切り出した。

 本格的な捜査については「1月に入ってからになる」と見通しを説明。「その時間が、どのくらいに及ぶのか誰も分からない。調査が終わったところで終わるのか、裁判に発展するのか誰にも分からない。スペインサッカーの正直さ、クリーンなところを信じています。12年間、スペインのサッカーにいたが、倫理、プロフェッショナルに反したことはしていない。試合に勝つための唯一の方法は努力。誰にも何もプレゼントされてないし、望んでもいない。ですのでスペイン当局に協力し、最後まで見守りたい」と話した。

 予審請求が1月になってスペインに呼ばれることになったらどうするか?

 と質問されると「弁護士の話では、仕事に影響しないところで呼んでいただける。アジア杯の期間中は、アジア杯の優勝以外のことは考えない。会見が終わった後は100%、アジア杯の優勝に向かう」と答えた。

 選手に対しては「この会見と同じことを伝えたいと思う。現場に集中。私の発言を裏付けてもらうためにも、皆さんにも私の39年のキャリアを調査してほしい。証言も、あらゆる形で証言できるし、代表監督の仕事に影響が及ぶことは全くない。100%保証できる」と言い切った。

 今後の捜査状況によって身を引くケースがあるかもしれない。その場合、身を引くことはあるのか?

 と聞かれると「想定の話なので、お答えすることはできません。私は39年間、仕事を辞任したことは1度もありません。私は落ち着いています。繰り返しますが、落ち着いています」と話した。

 なぜ、この問題が監督自身に降りかかったのか?

 との問いには「スペインで指揮した450試合以上の1試合が、この試合(疑惑がかかる11年のサラゴサ-レバンテ戦)。その現場にいたから。時間の経過とともにはっきりして、落ち着ける状況になることを願っています。私も皆さんと同じように驚いております」と心境を語った。

 日本での騒動についてどう考えているか?

 との質問には「3シーズン前の試合、しかも調査の段階。36人の選手と監督、4人のクラブ関係者、相手チームの監督は出場停止だったので呼ばれていないが、関わっていた人が呼ばれて調査されるだけ。私のことを知っているスペインやアメリカ、メキシコでは、このようなことを聞かれていない。日本では私のことが知られていない。ですので、このような会見を開いたが、落ち着いております。あとは時間が経過するのを待つのみ。日本で、こんな大騒動になるとは思っていなかった。スペインでもアメリカでもメキシコでもスキャンダルになっていないのに、日本だけなっている。私にとっては、クリアな状況。時が経てば、事実が明るみに出てくる。臆測で話すことは良くない」と答えた。

 最後の質問で「真実が明らかになるまで謹慎する考えはないか?」と問われると「あの試合に関わった選手たちは、今も試合を戦い続けています。責められることなく毎週末、戦っている。サラゴサの幹部も仕事を続けている。レフェリーも笛を吹いている。なのになぜ、私も彼らと同じように仕事を続けることができないのでしょうか?

 有罪を証明されるまでは無罪です。例えば、この会見場で私の財布がなくなったとする。でも、皆さんに「部屋から出るな」とは言えません。調査はしないといけない、けれど皆さんは仕事をしないといけないから。あの試合に出場した選手で欧州CLを戦っている選手もいる。自宅に引きこもる必要はない。私も仕事を続けたいと思っています」と答え、会見を締めくくった。