岡田ジャパンの負の連鎖が止まらない。左の攻撃的サイドバックの切り札安田理大(20=G大阪)が23日、左太もも裏痛のためチームを離脱した。この日合流した右サイドバック内田篤人(20=鹿島)も腰を痛めており、24日のキリン杯コートジボワール戦出場は絶望的でその後も微妙。必勝のW杯アジア3次予選オマーン戦(6月2日=日産スタジアム)を前に、若きサイドアタッカー2人を欠く事態に陥った。

 岡田監督の頭痛の種がまた増えた。この日、安田は病院で検査を受け左太もも裏の軽い肉離れと診断された。22日の紅白戦で控え組の左サイドバックでプレーし、途中で自分から交代を申し出ていた。この日練習を行った豊田スタジアムで岡田監督は「ハムストリングなので危険なところ。大事になるといけないので帰した」と説明した。

 さらに、岡田ジャパンで定位置を確保しつつあった内田が、合流即リハビリの事態に陥った。内田は21日のACLナムディン戦(ベトナム)に出場したが、4月9日に骨折した腰部の復調が思わしくない。この日の練習では軽いランニングとストレッチで完全別メニュー。岡田監督は「リハビリというか、ちょっと…。オマーンに間に合う可能性があるのでチームと一緒にやってもらう」と歯切れが悪い。内田も「腰を曲げるだけで痛いです。この大会に間に合わなくても(6月)2日(のオマーン戦)に間に合えば…」と、悲壮な表情を見せた。

 岡田監督は今回の合宿を含めキリン杯の2試合で、最後の仕上げをする計画だった。しかし、バーゼル中田の招集を右ひざの回復遅れのため見送り。20日の合宿初日にはFW前田が代表を辞退した。内田、安田は岡田ジャパンで台頭してきた攻撃的DF。ホームのオマーン戦で必ず勝ち点を取るには必要な人材だけに、チームにとっては大きな痛手だ。現状では追加招集の予定はなし。いばらの道が続く。