国際サッカー連盟(FIFA)は19日からチューリヒで行われている理事会で、男子の五輪参加規定を現行の23歳以下から21歳以下に引き下げる改正案をまとめた。12年のロンドン五輪からの採用を目指しており、同時に3人のオーバーエージ(年齢無制限)枠も廃止される見込み。5月の総会に諮られ、国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得れば、11年のU-20W杯がロンドン五輪の予選を兼ねることになる。

 92年バルセロナ大会から続いていた23歳以下という年齢制限は、FIFAとIOCの綱引きによって生まれた。W杯の権威を高めるために五輪の「ユース化」を進めたいFIFAと、興行面からもW杯と並ぶ価値を求めているIOC。両者の駆け引きのなかでオーバーエージ枠も生まれた。

 しかし、23歳と言えば欧州トップクラブの主力も多い「大人」。北京五輪前にはクラブとの間に選手供出の問題も起きた。21歳以下案は南米連盟が提唱し、すぐに欧州連盟も賛同。ブラッター会長も以前から「五輪は若い選手の大会にしたい」と話していた。

 21歳以下になれば、鹿島の大物新人FW大迫、日本代表でも活躍するC大阪のMF香川、大分MF金崎らも出場できない。北京五輪のリベンジの場を失うことになる香川は「残念だけれど、上(A代表)で頑張るしかない」とコメントした。昨年のU-19アジア選手権に出場し、「ロンドン世代」とみられていた選手で、同五輪に出ることができるのは浦和FW原口だけ。布監督のもとで始動したばかりのU-18代表が、同五輪の主力となる。