<国際親善試合・キリン杯:日本4-0チリ>◇27日◇長居

 主力を欠いていたとはいえ、南米予選3位のチリを圧倒した。それでも岡田武史監督(52)は、つかんだ手応えを胸の奥に潜め、にこりともせずに言った。「こういう状況で、我々はどれだけタフになれるか。その中で、尻込みせず、下がらず戦ってくれた」。

 チリとは08年1月、第2次岡田政権初の対外試合で対戦。早いチェックに何もできず、スコアレスドローで片付けられた。ビエルサ監督のサッカーにあこがれを抱く岡田監督にとって、前回から今回へ、チームの成長を確かめるには格好の相手だった。「チリの右サイドからのアーリークロスは、パクリたい、いただきたい。この試合はゆくゆく財産になっていくと思う」。

 予選突破のかかるウズベキスタン戦は目の前に迫っている。「チームとして機能している。コンセプトは体に染みついてきた。ベルギー戦後にいったんリセットしたい」。言葉の端々に勢いが漂った。