世界の頂点を目指すなでしこジャパン(日本女子代表)の選手たちに、画期的な支援プログラムが用意された。日本協会が14日の理事会で承認した「強化指定選手制度」で、海外でプレーする代表選手に支援金を支給するもの。11年W杯ドイツ大会、12年ロンドン五輪での優勝目指し、日本協会が大盤振る舞いで好成績をバックアップする。

 移籍先は、米国やドイツなど国際サッカー連盟(FIFA)女子ランキング10位以内のリーグが条件。W杯、五輪で代表の中心として活躍できる選手に、支度金20万円、滞在費1日あたり1万円が支給される。昨年MF沢穂希(31)ら3選手が活躍した米WPSは、プロとはいえ年俸は生活費程度。半年近いシーズンで約200万円の「補助」があれば、サッカーに専念できる環境が手に入る。

 日本協会の上田栄治女子委員長は「世界のトップを狙うには、日常的に体格差のある選手とプレーするのが有効。この制度を利用して、どんどんチャレンジしてほしい」と話す。今季は昨年末にドイツ移籍を決めた浦和MF安藤梢(27)や春開幕の米WPSに移籍する選手など5人程度が対象となるが、来年以降は10人に増枠される見込みだ。

 協会は支援選手に対して活動予定、報告を義務化。広報活動への積極的な参加で、女子サッカーを盛り上げる狙いもある。日本は現在FIFAランク6位。目標をW杯制覇においている。個々の選手が欧米で経験を積めば、いよいよ世界の頂点が見えてくる。【荻島弘一】