異例の学生キャプテンが「長谷部イズム」でチームをまとめ上げる。日本サッカー協会は10日、U-22(22歳以下)日本代表のロンドン五輪アジア2次予選クウェート戦(19、23日)のメンバー22人を発表。学生ながら主将就任が濃厚な山村和也(21=流通経大4年)は、同行した昨年のW杯南アフリカ大会で主将を務めた長谷部誠(27)の行動を参考に、選手ミーティングなどを行い、第1関門突破へ導く決意をみせた。
大学のグラウンドで練習を終えた山村は、より一層の使命感に満ちていた。予選メンバーに順当に招集され、心の中に描くのはチームのこと。「練習から大事にして、クウェート戦に臨みたい。メンバー入りの競争をしながら、チームのことを考えて行動していきたい」。日本協会での会見で主将について質問された関塚監督は「(集合日の)13日に考えます」と話したが、これまで主将を務めた山村が就任するとみられる。
理想像は現日本代表主将の長谷部だ。昨年のW杯直前に岡田監督に新主将に指名されると、チームをベスト16に導いた。サポートメンバーだった山村はその行動を目の当たりにしていた。「1人1人と密にコミュニケーションを取っていた。僕みたいな大学生の食事のテーブルにも来て、質問してくださったり」。選手のみのミーティングも開き短期間で結束力を高めたが、「僕もみんなと話したい」と踏襲する考えだ。
チームでもボール運びなどの雑用を積極的にこなす姿に、「長谷部と一緒ですね」と目を細める代表関係者もいる。ミーティングなどで「皆さん何かありますか」と丁寧語で話すまじめな山村。「もともと引っ込み思案なところはあるんですけど…。今度は自分から、みんなと話していかないと」と決意は固い。
J発足後、これまでの五輪予選でもプロに交じり、早大DF徳永(現東京)法大MF本田(現鹿島)らが招集された。だが、主将を任されるほどの存在は初。スパイクのサイズが28・5センチの大きな大学生が、こまやかな気配りで団結力を高めていく。【阿部健吾】
◆山村和也(やまむら・かずや)1989年(平元)12月2日、長崎県生まれ。国見高から流通経大に進学。U-20代表として参加した09年1月のカタール国際でMVPを獲得。10年W杯南アフリカ大会は日本代表サポートメンバー。昨年11月の広州アジア大会では全試合に出場し、主将として優勝に貢献。憧れの選手は元フランス代表MFジダン。来年の獲得を目指し、Jの9チームが競合したほどの逸材で、現在は鹿島、川崎F、磐田の3チームに絞っている。184センチ、75キロ。

