<女子W杯:日本3-1スウェーデン>◇準決勝◇13日◇ドイツ・フランクフルト

 佐々木則夫監督(53)の采配が、なでしこを決勝へ導いた。今大会5戦目で初めてスタメンに抜てきしたFW川澄奈穂美(25)が2点を決めるなど、選手起用が的中した。準々決勝のドイツ戦でも後半から投入したFW丸山桂里奈(28)が決勝ゴールを決めており、日替わりヒロイン出現を演出している。スウェーデン戦直後、最愛の淳子夫人(53)に優勝を約束した同監督は、日本初のW杯まであと1勝に迫った。

 夢かもしれない。佐々木監督は、スウェーデン戦直後、自分のほおをつねってみた。「痛い。夢じゃないんだ」。勝利を確かめ、日本にいる夫人に電話した。佐々木監督

 淳子、やったよ。夢じゃないんだね。すごくない?

 淳子夫人

 のんちゃん(佐々木監督の呼び名)天才だね。格好いいよ。

 佐々木監督

 ファイナルは見に来てね。必ず勝つから。

 佐々木監督

 (試合後の監督会見)ファイナリストになりたい思いで準備をしてきた。ファイナリストになったなでしこジャパンを誇りに思う。日本に元気を感動を、我々から少しでも与えられたら最高なゲーム。ファイナリストという決勝で、またそういった思いを日本のみんなにも伝えたい。

 会見では勝利、優勝の言葉は使わなかったが、夫人にはハッキリと「勝つ」と約束した。

 今大会、4戦連続でスタメンを変えなかったが、この日初めて先発メンバーをいじった。永里に代え川澄を起用した。

 佐々木監督

 彼女は日本の中でも群を抜いて、素晴らしくスタミナのある選手。前線で守備もし、攻撃もし、というところを彼女にお願いした。2点もとってくれとはお願いしなかったが、よくやってくれた。

 ドイツ戦では、後半出場の丸山が決勝点を挙げている。「厳しい競争の中で、サブメンバーも力をつけている。それが川澄だったり、丸山だったり」。

 最後に立ちはだかるのは最強・米国。1度も勝てない難攻不落の強敵だ。5月の米国遠征でも2戦とも0-2で完敗した。

 佐々木監督

 こんな大きなステージで、米国にチャレンジできるということはこの上ない幸せ。大きくて素晴らしいチームに挑戦するのみです。