<女子W杯:日本2-2(PK3-1)米国>◇決勝◇17日◇ドイツ・フランクフルト

 なでしこジャパンFW永里優季(24=ポツダム)が、金メダルを獲得した直後、その勢いのままピッチ上でチームメートやスタッフに結婚を電撃報告した。関係者によると、優勝を決めたら自分の人生の一大決心を伝えるつもりだったという。相手は東海大学時代に知り合った男性で、サッカー関係者ではない。今日19日に帰国してから結納を交わす予定で、永里は近日中にドイツに渡るため、しばらく遠距離生活を過ごすことになる。

 世界一のメダルを首に掛けた記念撮影直後にサプライズが待っていた。金色の紙吹雪が舞う最高潮の歓喜の瞬間の中、さらなる祝福の嵐が吹き荒れた。FW永里が、仲間にいきなりの結婚報告。喜びを分かち合い輪になったなでしこのメンバーは一斉に「え~、おめでとう~」と驚きと祝福の声をあげた。

 隣で報告を聞いた佐々木監督は肩を組んで永里に祝福の言葉をかけた。主将の沢も両手を高くあげて拍手を送った。FW丸山は両耳を手でふさぎながら驚きの表情でかけより、両手で抱き締めた。FW安藤らが次々と永里を囲んだ。表彰式会場はたちまち、結婚報告会場へと早変わりした。DF熊谷がゴール左上にPKを決め、優勝を決めた約30分後のことだった。

 1次リーグ初戦のニュージーランド戦では先制ゴールを決めるなど、今大会のエースとしての期待が集まっていた。左膝の痛みなどの影響もあり、準決勝スウェーデン戦からはスタメンを外れる苦渋も味わったが、「優勝したら、みんなに報告しようと思っていました」とピッチ上で明かした。

 試合後に宿舎で行われた祝勝会会場でも、話題は持ち切りとなった。相手はサッカーや学生生活を過ごした東海大学時代に知り合った男性。サッカー関係の仕事には携わってはいない。今日19日に成田空港に帰国し、近日中に結納を交わす予定となっている。

 ドイツ・ポツダムでの新シーズンに合わせ渡独するため、しばらくの間はW杯前と同じように、2人はドイツと日本で遠距離生活を送ることとなる。

 決勝の米国戦では後半21分にFW安藤に代わり途中出場。0-1で迎えた後半36分、相手クリアミスを突き、MF宮間が決めた同点弾の起点となったのが永里だった。PK戦では2人目のキッカーとして登場したが、相手GKソロの好セーブにあった。自ら祝弾とはならなかったが、激闘の末の勝利は最高の結婚祝いにもなった。

 15日には誕生日を迎え、チームメートからバースデーケーキが贈られた。直後に更新したブログでは「変化を恐れず、いろんなものを手放し、新たな自分に出会いにいき続ける」。結婚という新たなスタートを予感させる決意をつづっていた。

 試合後は「これから先、日本の女子サッカーがどうやって発展していくのか。責任を感じます」と話した永里。私生活も充実させ、ロンドン五輪を目指す。