松田さんに届け-。北海道合宿中の日本代表候補が合宿最終日の3日、札幌市内で札幌大と練習試合を行い、3-0で勝利した。代表候補初招集のFWハーフナー・マイク(24=甲府)が、前半23分に高さのあるヘディングで1得点し、ザッケローニ監督(58)にアピールした。前日2日に急性心筋梗塞で倒れた元日本代表DF松田直樹(34)は横浜時代の兄貴分。合宿終了後は見舞いのため治療中の松本市内の病院へ直行した。今日4日には韓国戦(10日、札幌ドーム)メンバーが発表される。

 悲壮な思いで決めた1ゴールだった。1-0の前半23分、永井からの左クロスにハーフナーが頭を突き出した。「いいボールだったので合わせるだけでした」。ボールは194センチから急降下。ザッケローニ監督の御前で、強烈なヘディングシュートをたたき込んだ。

 前日2日にはプロ1年目の06年から慕ってきた兄貴分の松田直樹(34)が急性心筋梗塞で倒れた。「具体的なことが分からないので…何も言えません」。試合では結果を出したが、松田に関する質問になると思わず目を潤ませた。いてもたってもいられなかった。この日は北海道から羽田空港に戻ると、そのまま松田が治療している松本市内の病院に見舞いに行った。

 いつも松田の背中を追いかけてきた。横浜に在籍した06、07年、09年。トップ昇格後にプロとしての心得を教えてくれた兄貴分が松田だった。02年W杯日韓大会16強に貢献したスター。自分も同じ舞台に立ちたい。この日の練習試合は9月から始まるW杯予選出場へ向けたアピールの場だったが、同時に早く先輩の元に駆け付けたいという複雑な思いもあった。

 この日の試合会場には「祈

 松田直樹」という横断幕も掲げられた。ファンだけじゃない。思いが兄貴へ届くようにと、ハーフナー自身も必死だった。アピールはした。だが1得点にも「相手が大学生だし。(代表は)呼ばれればいいんですが」と言う程度。笑顔はなかった。前日2日には磐田FW前田が左太もも裏を痛め精密検査を受けた。10日の韓国戦出場は厳しい状況で、Jリーグ2位タイの9得点を挙げた長身FWへの期待も高まっている。不安はあれど今は気を強く持つことも使命だ。

 194センチの高さを兼備したハーフナーの存在は日本にはない武器。9月2日から始まるW杯3次予選へ向けた“新オプション”になる可能性は十分、秘めている。松田への思い。W杯への思い。複雑な気持ちを背負いながらハーフナーが選考を待つ。【永野高輔】